第9話 面白い物

「面白い物ってなんだろう。」

イリスが面白いと言うのは結構あるけど、見せたいと思うのは数件程しか前例が無いからなぁ...

「撤去が進んだ?いやそこまで進んでないはず。」

まだ数時間しか経ってないし、撤去が進んでても一区画くらいだろうし

うーむ、僕の好きなものが出てきた?いやでもそこまで好き好きなもの言ってない様なぁ


「イリス、そろそろ上に着くよ」


『こちらも準備完了です。扉のロックを解除しますので少々お待ちを』



『マスタークリス、あれが見せたかった物です。』

そこにあったものは天然物の...


「天然食....材...これ...本物なのか?」

野菜の種子は保管庫にあったけど。成長していた物は見たことがなかったけど

どこで入手してきたのかな

『はい、埋まっていた都市部に稼働中の天然食材の農場が確認できましたので、成分分析後にはなりますが、食事に提供できるかと。』

あの都市部の中にそんな施設があったのか

「....どれくらいの量の食材があるんだ?」

見える範囲でも100人分は賄えるであろう天然食材の山、

『芋と分類される根菜類が数種類それぞれ中型コンテナ数個分ずつ、ネギやキャベツなどの数十種類の葉茎菜が中型コンテナ数個分、果菜類が中型コンテナ2個分の合計10トン弱の食材を確認しています。保存手段としては農場内にある瞬間冷凍機を使用すれば1年以上天然食材が食べられると思われます。』


「素晴らしい...夢にまで見た天然食材による食事...」

両親にも送ろうか...


ん?まてよ...この食材を使えばあれが出来るんじゃないか?


確か近くには...






「イリス、確かこの星系近隣の星系にスペースコロニーあったよな...」

筒形のスペースコロニーが数機あったはず


『はい、数光年先の星系にワグナー社所有のコロニーが展開しています。』


「この野菜...売ることっって出来るかな。」




つづく


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