回文短歌風の作り方(3)
特に秘策はないですが、今回は、こんなふうに考えました。
1)まず、短歌の構造を知ります。
57577を丸で示すと、
○○○○○ ○○○○○○○ ○○○○○ ○○○○○○○ ○○○○○○○
よって、折り返し点(●)は以下となります。
○○○○○ ○○○○○○○ ○○○●○ ○○○○○○○ ○○○○○○○
(「しゃ」等の小さい文字を使用しない)十七文字で作る場合、「○●○」の部分は、以下のようになります。
〇「A」 ●「B」 〇「A」
具体的には、以下となります。
「あじあ」 「かすか」 「さむさ」 「たりた」 「なるな」 「はるは」 「まつま」
「やどや」 「らごら(羅睺羅)」 「わらわ(私/妾)」
2)さて、今回は、最初の三文字から考えます。とりあえず、三文字目を「る」にしてみます。
○○る
そして、一文字目を、仮に「か」とすると、以下の候補が得られます。
かえる かおる かかる かぎる かける かげる かざる かじる かする かたる かてる
かねる かびる かぶる かわる
各候補を逆さまにすると、以下となります。( )内は一例。
るえか(る絵か) るおか(る丘) るかか(る禍か) るきか(る気か) るけが (る怪我)
るさか(る坂) るしか(る死か) るすか(留守か) るたか(る田か) るてか(る手か)
るねか(る根か) るひか(る日か) るぶか(る部下) るわか(る和歌)
※ 慣れてくれば、三文字目を「る」ではなく、「む」や「り」などにして応用できます。
3) ここで、最初の三文字に「〇〇る」で繋がる言葉を考え、逆さまにしてみます。
のこ(る絵か) 残(る絵か) 残る絵か ←→ 帰る子か
残(る丘) ←→ 香る子の
残る禍か ←→ 罹る子の
残る気か ←→ 限る子の
残る怪我 ←→ 駆ける子の
残る坂 ←→ 飾る子の
残る死か ←→ 齧る子の
のこ留守か ←→ 掠る子の
残るる田か ←→ 語る子の
残る手か ←→ 勝てる子の
残る根か ←→ 兼ねる子の
残る日か ←→ 光る子の
残る部下 ←→ 被る子の
残る和歌 ←→ 変わる子の
4)上記から、関連のありそうな組み合わせ(?)を選びます(恐らく、ここにセンスが発揮されます)。
残る禍か ←→ 罹る子の
残る怪我 ←→ 駆ける子の
残る手か ←→ 勝てる子の
残る和歌 ←→ 変わる子の
5)上記から一つ選んだら、関連にありそうな言葉を連想し、試行錯誤を繰り返します(ここが頑張りどころ!)。
5-1)残る禍か ←→ 罹る子か
のこるかか
まいちるえきが
とびかうか
ひとがきえるち
いまかかるこの
残る禍か
舞い散る疫が
飛び交うか
人が消える地
今罹る子か
5-2)残る怪我 ←→ 駆ける子の
のこるけが
まあてんどうか
むてきとき
てむかうとんで
あまかけるこの
残る怪我
まあ天童か
無敵説き
手向かう跳んで
天翔ける子の
解説の一例:上記とは別の考え(選択)です。
「駆ける(かける)」とくれば「天(あま)」がまず浮かびます。
「あま」を逆さまにすると「まあ」なので、次に「まあ〇〇〇〇〇」を考えます。
「まあまあ〇〇〇」「まあるい〇〇〇」等が浮かびます。
しかし、「〇〇〇あま」では難しいので、「まあるい〇〇〇」の方を選んだとします。
「まあるい〇〇〇」←→「〇〇〇いるまあ」
最後の「まあ」は「あま」として使われるので、→「〇〇〇いる/まあ」→「〇ひきいる」としてみます。
すると、最初の七文字は「まあるいきひ〇」となるので、「きひ〇」「ぎひ〇」「きび〇」「ぎび〇」
「きひん(気品/気稟)」「ひぎり(緋桐)」等が見つかります。
「丸るい貴賓」ならば、何とか意味がありそうだと判断します。
ここは真ん中の三文字なので、 「しいABA」ですから、例えば、「しいてまて(強いて待て)」としてみます。
すると、以下の以下の文字列が繋がります。
のこるけが
まあるいきひん
んひきいる
あまかけるこの
「〇〇ん/率いる」をくれば、例えば、「遺臣(いしん)」ならば意味は通るでしょう。
他には、以下が考えられます。
「そにん(訴人)」「るにん(流人)」「むほん(謀反/謀叛)」「いみん(遺民)」
「げみん(下民)」「どみん(土民)」「かめん(仮面)」「さわん(左腕)」「じぐん(自軍)」
「いじん(偉人)」「まじん(魔人)」「きぜん(毅然)」「じだん(自団)」「こぶん(子分)」
のこるけが
まあるいきひん
しいてまて
いじんひきいる
あまかけるこの
残る怪我
丸(まあ)るい貴賓
強いて待て
遺臣率いる
天翔ける子が
まあ、なんとなくファンタシー的な戦場をイメージできる「回文短歌風」になりました。
5-3)残る手か ←→ 勝てる子の (か → が)
のこるてが
だますあいかた
かなしいし
なかたがいあす
まだかてるこの
残る手が
騙す相方
悲しい死
仲違い明日
まだ勝てる子の
5-4)残る和歌 ←→ 変わる子の
のこるわか
たましいこもる
けさびあび
さけるもこいし
またかわるこの
残る和歌
魂籠る
叫び浴び
避けるも恋し
まだ変わる子の
6)ということで、内容はいまいちですが、出来上がり。
以上
回文短歌風(果ては何処まで行くのやら。450まで)五十首詠 401-450 り(PN) @ritsune_hayasuki
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます