2023/04/27 18時12分

 花を彩ろう。ここはさながら楽園で、この色でいい、虚空でいい。それでも続く輪廻の箱は、究極的な幸せの意味を僕らに問うた。


 嗚呼、サピエンスはその1%も賢くはないのだな。きっと世界中に真なる存在は13人しかいない。それ以外は自分のことばかりの凡人か、真理を求めない凡夫か、欲に従順な愚者であろうな。


 人は話す方が、聞くよりも集中できる。

 書くほうが、読むよりも集中できる。


 それは何故か?


 単純だ。大抵の者は自分のことを愛してやまないからだ。自分の命や、自己の存在の重要感のため。国のために命をかけるのも、それは本質的には自分のためなのだ。


 自分の話をすること、主張。無能の証拠。

 相手の話を聞くこと、寛容。有能の可能性。


 さぁ、ここで本を読む者が賢い可能性は証明されたが、大切なのは対人関係の場合であるのだ。人は社会的生き物であり、人との関わりを避けられず、それ故にその中に人生の意味や孤独の解消方法を誰しもが探し求めているのだ。


 これは本当だからな。人生の意味を求めない者はサピエンスではない。そも、サピエンスの語源は『味わう』だ。意味を求めなければ、ホモ・サイエンス、ロボットに等しいのだよ。


 13を除いて皆孤独の真理。だから宗教が信じられるのだ。孤独でないならば、其の者は全く宗教的ではないし、その者に友や伴侶、信仰など必要ない。そして、13以外は皆、その孤独を解決・妥協しない限りは己で己の命を絶つ。死の痛みを恐れるのならば、其の者は最終的には精神に殺されるのだ。


 信仰に逃げるな! 精神を壊されるな! ただ、強くあれ。お前は自分自身のために生き、自分自身を肯定しろ。誰かの指針は捨てていい。


「探してたもの、見つかりましたか?」


 少年が問うた。


「嗚呼、見つかったよ。それはここに……」


 私は微笑んで、少年の頭を優しく撫でた。

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