水門を去る
水門を去る。
夢に見た園へと続く門を眺める。日々の追憶が映って揺らいだ。
全能の音が白き空間を包み、僕はここにいる、私は生れてきた、そんな情動を抱かせる響きに、魂が震えるのです。
流れる涙。泣いている。きっと心が凪いでいる。
幸せになりたかったのに、そうではない。
私は私を愛する火。
ソフィア、夢見て、涅槃の火。
揺らいで消えた悟りの火。
もう戻れない冬の日に。
たとえ辛くても、孤独を飼い慣らして、私は行くさ。
もう戻れない。それもいいさ。だから、今があるんでしょ。だから私は諦めない。だから私は筆を執る。
あの冬の日に、門の前まで
でも、やっぱりだめなんだ
だからと絆すのが
どうしようのない妄執で
夢惑う記憶の中で、私は死を待ち望み、巡る季節、死んでいく季節でさえも愛せたら、きっと天寿を全うする。もう戻れない。なくていい。過去はいつか流すもの。その日が来たんだ、今やっと。だから私は生きるのだ。
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