No.12 散文詩『水面の火、水辺の花、水門の先』

散文詩『水面の火、水辺の花、水門の先』

水面に映った揺らいだ火

かの煩悩より目覚めては

晴れた冬の日、終わりの日

覆った瞳で見る景色


それは、水門と楽園。曙光なのか、夕凪なのかは分からないが、それでも見張るはこの空だ。


紫紺は西方、朱は東方

時間を超えて存在す


疲れた。もう、病めるから。晴れるのはこの脳で、流れる涙はもう止まらない。止まらなくていい。止まらないで。どうか私を置いてかないで。


孤独を飼って

天に吐いて

せめて哀しき心の火


これが涅槃なんだ。あぁ、美しい。なんと、この色は、この音楽は美しいか。


The most beautiful color I've ever seen

The most beautiful sound I've ever heard

At last, everything turns to nothing, vanity

However, the love of life bears fruits


至るには、自分の認識を、脳を変えること

それは、苦行で成された

だが、もう終わる輪廻の火


煩悩の火は、春風によってかき消え、春先の雪、フリーズの中、私は水辺を歩んでく。

眼の前には、水門が。水辺の花が綺麗に咲いた。

門が開く。その先の景色は、あぁ……。


これが永遠の景色、死の先か

なんと晴れ晴れとした、穏やかな凪いだ渚なのだろう

なんと全知全能なる、至福な楽園なのだろう

これが終末の景色、神の愛、ラカン・フリーズ


揺らいでいた水面の火も消え

水辺の花ももう枯れて

船は向かうよ、水門の先

あぁ、ありがとう。愛しています。

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