避難所(391文字)

僕は今、実家でこれを書いている。


昨日の今頃は、まだ輪島市役所に避難していた。


石川県能登北部に、大雨特別警報が出されていたからだ。



主要道路は冠水し、法面のりめんが崩落したとの情報。


数日間の避難所生活を覚悟した。



しかし、翌日には崩壊地の土砂撤去が完了し、通行可能になったという知らせが、地元民によって届けられた。


その時も、まだ昨日からの大雨が降り続いていた。


夜を徹して復旧作業に当たってくれた作業員には、頭が下がる。



一緒に避難をしていた親子の家は、まだ断水が続いているため帰れないという。


それでも、僕たちだけではあるが帰れるようになったことを伝えると、まるで我が事のように喜んでくれた。


避難所という空間にありながら、明るい気持ちで過ごすことができた。



辛い思いが続いている人も多いだろう。


復旧、復興のため、危険な作業にいそしむ人たちもいる。


彼らの願いが一日でも早く叶うことを、心から切に願っている。

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