読書感想文

小学生の頃、同級生の読書感想文が先生に絶賛されていた。


参考図書は僕にとっては、よく分からない本だった。

しかし、同級生の感想文には、「確かに、そうかも」と思わせるシーンが、しっかりと描かれていた。

僕も同じ本を読んだはずなのに、そんな視点で見られなかったことが情けなかった。


それと同時に、ずるいと思った。

僕も読み取れるようになりたい。

勉強しなくては、と奮い立った。


比喩が心に響くとか、作品の最後の一文が重要だとか、先生はそんなことを言っていた。

言葉の裏に隠された意味や作者の意図を感じ取らなければならないらしい。

先生の話はピンと来なかったが、「本には読み方がある」ということで何となく理解した。



興味本位で手に取った、ある漫画の研究本がとても面白かった。

研究本が面白いのだから、その漫画もきっと魅力的な作品なのだろう。

いざ、その漫画を読んでみると、ポップでシュールな内容で、全く理解できなかった。


あぁ、また作者の想いを、取りこぼしてしまった。

僕は、まだまだ道半みちなかばである。

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