異世界マナー講座

ちびまるフォイ

ニポンで一番のテーマパーク

これから異世界へ行く方へのマナー講座。


異世界とは日本の若者が今いちばん生きたがっているアミューズメントパークです。

日本に訪れた際にはぜひ観光したいですね。


ですが、その土地の習わしやルールもあります。

義理と心意気を重んじる日本人の迷惑にならないようここでマナーを勉強しましょう。



まずは異世界です。


これは日本語で「良い・世界」を表します。

縮めて異世界です。


夢と希望に満ちたティーンエイジャーが憧れるような良い響きです。



次に異世界への生き方をご紹介しましょう。


異世界には公共交通機関は使えません。

専用の送迎サービスのいくつかがあります。


パソコン。

トラック。

追放。


こちらの3種類です。

一般的な送迎方法としてはトラックです。


トラックを使って異世界にいくのが一般的です。

なぜバスでは無いのでしょう?


それは謎です。

日本文化とは奥深いものなのです。



さて、あなたは異世界に来ました。


最初に到着するのは「神の部屋」と呼ばれる待合室です。

ここでは神と呼ばれる存在を対話が求められます。


神様はあなたに授ける能力の解説や、

あなたに降り掛かった状況などを解説してくれます。


ここでマナーを学んでいるあなたのことなので、

神様の話す内容の多くは周知の事実でしょう。


しかし、ここで「もう知ってるよ」などと話をさえぎってはいけません。


気づかいと察しの文化が浸透している日本人は、

あえて驚いたり、戸惑ったり反応をすることがマナーです。


ひとしきり話を聞き終わると、いよいよ異世界です。

リスポーン地点は決められません。


ですが、一般的には見晴らしがよく街にほど近い場所に送迎されます。


異世界へ到着したらこう言いましょう。


「ここが異世界……」


と。


これは神様に対し"無事異世界に到着しました"という報告を兼ねています。

几帳面な日本人ならではですね。



街へ向かう、かならず野党もしくは魔物と遭遇するでしょう。



彼らはいわばレセプション。

あなたが異世界に来たことを歓迎して襲ってきます。


そこでは神から授かった魔法で倒しましょう。

かならず炎関連の魔法を使うのがマナーです。


また、敵と遭遇した際には襲われている人がいるはずです。


一緒に燃やしてしまっていないかは注意しましょう。

周りにも配慮してこそ、日本のおもてなしの心です。



絡まれている人を助けると必ず街へ案内されます。

その多くがギルドへと流れ着きます。


異世界へ初めて訪れる観光客の方は、

もっと異世界を見てみたい、仕事なんてしたくない。

そんなふうに思われるかもしれません。


ですが必ず異世界に来たらギルドに入会しましょう。


入会しても特に特典はありません。



勤勉で真面目な日本人は常になにか社会的なつながりを求めます。


たとえそれが現実のしがらみから解放された異世界であっても、

社会の一員であることが人としてのスタートラインなのです。


これを現地語では"シャカイジン"といいます。

異世界へ向かうまでには覚えておきたいですね。



ギルドの冒険者として登録されれば、いよいよ自由行動です。


ここからは一般的なマナーやルール、楽しみ方のガイドはありません。

それだけに迷われる方も多いはずです。


異世界マナー講座では、異世界ホットラインをご用意しております。


現地について自由になったけれど何をしていいかわからない。

来ては見たけど思ったより面白くない。


そんなときにはぜひご連絡ください。

必要に応じて対面でも異世界のマナーやルール、楽しみ方などもご紹介します。


ご用命の際にはぜひご連絡ください。



以上で異世界マナー講座を終了します。


よい異世界観光を!








おや? 異世界から現実に戻る方法を聞いてない?



なにを言っているんですか?

一度異世界へいった人間は現実には戻れません。



それが"ヒトミゴクー"という日本ならではの

けして過去を振り返らないステキな心意気です。


かならず覚えておきましょう。

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