メイベ砦の陥落
ささやか
本編
メイベ砦の物見台に立てば視界いっぱいに大森林が広がる。人智の及ばぬ魔境は鬱蒼と繁り、初めて見る者に根源的な恐れを植えつけるが、メイベ砦に一年以上駐屯しているジャンにとってもはや見慣れた景色であった。
夏のメイベ砦は蒸し暑くお世辞にも過ごしやすいところではない。それでも物見台には涼しい風が吹く。それ故に見張番でなくとも涼を取るため物見台に登る者はおり、ジャンもそのうちの一人であった。
見張番であるトーキヤはゆるんだあくびをこぼすがその視線は大森林への警戒を怠っていない。
二世代前、大森林から押し寄せた数多の魔物が穀倉地帯を蹂躙しその先にある王都へと向かった。かろうじて防衛に成功したものの王都は甚大な被害を被り、国力を大きく落とした。
以来、大森林に棲まう魔物の駆除と、二度目の『
それは再度の惨劇を防がんとする先人の確固たる意志であった。だがそれも今では形骸化しつつある。
「なあ、聞いたか。第三騎士団が交代するってよ」
トーキヤが大森林を見つめながら言う。トーキヤは逃げ足も速いが噂を嗅ぎつけるのも早い。
「代わりはどうすんだよ」
「さあな。適当な守備隊でも左遷するんじゃねえか」
「それでも来てくれればいいがな」
第三騎士団は他の騎士団より実力は劣るとはいえ、それでもメイベ砦の主力だった。第三騎士団が交代となれば戦力の減少は避けられない。
だがここ十年近く魔物の数は減少していることもあり、かつて国の精鋭が集ったメイベ砦の戦力は削減される一方だ。
「なんも変わってないように見えるんだがなあ」
トーキヤのぼやきにジャンが改めて大森林を見つめると、どこまでも広がる鬱蒼とした闇が目につき、先程は感じなかった恐怖がぞわりと彼の背筋をなぞった。
物見台を降りた後、ジャンは点検のため【灯台】が設置されている部屋に向かった。【灯台】は貴重な魔導具であるが非常時に使うものであるため部屋に鍵はかかっていない。
部屋には【灯台】の他、清掃用具がいくつか置かれているだけだ。大樽ほどの円周を誇る巨大な丸水晶はその表面に複雑な魔術式が刻まれている。手を当てて魔力を流すと【灯台】から光の柱が立ち昇るため、この部屋の天井だけ魔術で強化された硝子となっている。そしてメイベ砦の【灯台】と共に王都に設置された【灯台】も輝く。
メイベ砦の最も重要な役割は森撃が起こった際に【灯台】を起動して王都に伝えることだ。だが第三騎士団がいなくなると【灯台】を起動できる魔力持ちはジャンを含めて三人だけになる。メイベ砦はもはや軽んじられていた。
ジャンは丸水晶の表面を柔布で丁寧に磨いた後、手を当てて魔力の通りに淀みがないことを確認する。使われないにこしたことはないが、【灯台】は必ず使えるようしておかなければならない。
点検を終え部屋を出たところで、ジャンはヴィアス隊長と出くわした。
「【灯台】に異常はなかったか」
「ありませんでした」
やや緊張しながらジャンが報告すると、ヴィアス隊長は厳しい面持ちで頷いた。
巨躯に見合った剛力とそれを活かす剣技を有するヴィアス隊長はまさにメイベ砦の守護者だ。その実力は王国有数であり、もし爵位が高く政争に巻き込まれることがなければメイベ砦に赴任することもなかっただろう。
「森撃が起こった場合はお前かデラウラが【灯台】を灯すのだからな。頼むぞ」
「隊長がなさるのでは?」
ヴィアス隊長は剣士としても一流だが、強い魔力持ちで魔術師としても一流だ。小さな魔術を数発使えるだけのジャンと異なり、魔物を一撃で倒せる強力な魔術を何発も使うことができる。
「森撃が起こったら俺は魔物と戦わなければならん。お前が俺の代わりに魔物を倒してくれるか?」
「い、いえ。それは」
ヴィアス隊長は豪快な笑いながら、ジャンの肩を叩いた。
「なら【灯台】は任せるぞ」
「はい!」
別れた後、ジャンは第三騎士団にも魔力持ちがいるにもかかわらず、ヴィアス隊長が彼らに触れなかったことに気づいた。
それから五日後、第三騎士団はメイベ砦を去った。代わりの守備隊は少し遅れるらしい。そのため、残った者は第三騎士団が抜けた穴を埋めるためにいつもより忙しくなり、ジャンもメイベ砦の周辺を警邏に参加することになった。
メイベ砦は堅牢な石壁で囲われ、正門は馬車がすれ違えるほどの十分な大きさがあるが、魔物の侵入を防ぐため裏門は人が通り抜けられるだけの大きさしかない。そして裏門を抜けて足を進めればそこはすぐ大森林だ。
かつて王国は大森林の開拓を試みたことがある。開拓にはただでさえ莫大な労力が必要となるが、大森林の樹木は通常よりも遥かに堅く切り倒すことすら困難だった。結局、開拓はメイベ砦の建設で終了した。メイベ砦は人間が大森林に残した唯一の爪痕なのだ。
ジャンを含む六人の部隊が大森林に踏みこむと薄暗闇が彼らに重苦しくのしかかる。ジャンは眉をひそめる。かつて同じ魔力持ちであるデラウラと話したことがあるが、魔力持ちの方が大森林に不快感を強く覚えやすいらしい。しばらく大森林に入っていなかったせいか、ジャンは以前よりも重苦しく感じた。
斥候のトーキヤが先行し、残る五人が後に続く。ここ最近は魔物が減ったとはいえ、依然として大森林は人が気ままに闊歩できる場所ではない。警戒を怠らずに規定の巡回経路を進むが、最後まで魔物と遭遇することはなかった。
メイベ砦に帰還してからトーキヤがぼやく。
「今回も出なかったな」
「最近そうなのか?」
「ここしばらくはそうだな」
魔物が出ないことは悪いことではないはずだが、トーキヤの表情はさえなかった。
「だから第三騎士団を引き上げさせたんだろうが、大森林の空気はなんも変わっちゃいねえ。いや、それどころか」
トーキヤはそこで口を閉ざす。まるで何かを恐れるかのように。
「どっちにしても大森林は大森林。おぞましい場所だよ」
トーキヤの言葉がジャンの脳裏に小さな棘にように刺さった。その御蔭かどうかはわからないが、警邏をした日の夜更け、ジャンはすぐさま飛び起きることができた。みすぼらしいベッドから降りたところで警報が鳴っていると理解する。
何故。どうして。疑問を咀嚼するよりも早くジャンは『森撃』が起こったと直感していた。ヴィアス隊長の激励が脳裏によみがえる。【灯台】だ。【灯台】を起動させなくては。
「起きろ! 森撃だ!」
ジャンが大声をあげると部屋で寝ていた残りの三人も飛び起きた。
「【灯台】に向かう。一緒に来てくれ」
急ぎ準備を整えを兵舎を出る。兵舎から【灯台】まで行くにはまずメイベ砦に入りその最上階である三階の奥まで行かなくてはならない。
各所で焚かれた炬火が夜闇を照らし、裏門の方向から剣戟の音や悲鳴が聞こえる。戦闘は既に始まっていた。ジャンたちより先に出ていた兵士は徒手空拳か適当な物を武器代わりにして黒い狼のような魔物で抵抗している。いくら武器がないといえども大森林でよく遭遇する魔物であればそう後れを取ることはないはずだ。だが実際には幾人かの兵士が既に犠牲になっている。
「まず剣を取りに行こう」
「馬鹿なこと言ってんじゃねえよ」
最年長のロイロが提案すると、ホムナーが唾を飛ばして反発した。
「今から砦に行くなんて自殺みたいなもんじゃねえか。俺は抜けさせてもらうぜ」
ホムナーがジャンたちを一瞥してから砦と反対の方向へ走り出す。敵前逃亡は許し難いことだが逃げ出したくなるのも無理からぬことだ。ジャンは漠然とそう思った。残る二人も同じような心持ちだったのだろう。わざわざホムナーを追いかけて制止しようとはしなかった。
そして四人が三人と一人に完全に分かれた時、暗がりから目にも止まらぬ速度で大きな影が飛び出し一人を襲った。乱杭歯がホムナーの首に食い込み、ホムナーは飛びかかれた勢いのまま倒される。そうしてまたがる黒狼の四つある赤眼が禍々しく光った。ベリックが息を呑む音がやたらと大きくジャンの耳に響く。
「逃げるぞ」
ロイロのささやくような掠れ声がジャンとベリックの体を動かした。三人にとっては幸いなことに四眼の魔物が彼らを追いかけることはなかった。
「追ってこないな」
「餌があったからか?」
「かもな」
己の言葉に顔をしかめるベリックに対し、ロイロは短く同意した。
足音を殺してメイベ砦に向かう。兵舎から最も近い入口近くには他の兵士も集っていた。だが彼らが砦の中に入ろうとすることはなく、それどころか遠巻きに様子をうかがっているようであった。
いったい何故。同輩に抱いたジャンの疑問はすぐに氷解する。砦の入口を三体の魔物が阻んでいた。大柄なベリックよりも大きな体躯を持つ猿型の魔物は四本の剛腕を誇っていた。
大猿たちは砦を背に兵士に囲まれているにもかかわらず動こうとしない。代わりにその醜貌に人間でもわかる嘲りを浮かべていた。
他の扉から入ることを考えるべきか。ジャンが判断に迷っていると、正門の方向で激しい雷鳴が轟いた。ヴィアス隊長の雷魔術だ。それは吉報でもあり凶報でもあった。いくら魔物が強くともヴィアス隊長ならば余程のことがない限り負けないだろう。だがヴィアス隊長が戦っている以上、残る魔力持ちであるジャンとデラウラのどちらかが【灯台】を起動させなければならない。
立て続けに起こった稲光と轟音に兵士のみならず大猿たちも気を取られた
「デラウラがやられた」
トーキヤが静かに告げる。あまりの衝撃にジャンは驚きを声に出すことすらできなかった。
「もう、お前しかいない」
それを聞いたジャンの胸中に様々な感情が渦巻く。だが彼が口に出したのは覚悟だけだった。
「わかった。急いで【灯台】に向かおう。他の入口は?」
「他も駄目だ。仲間がいるだけここが一番マシだ。任せろ」
トーキヤは雷鳴に合わせ疾風の如く大猿に近づき、短剣を振り抜く。大猿の左目からさっと鮮血が飛び、赤い線が走る。トーキヤはそのまま隣の大猿にも斬りつけるも、これは紙一重でかわされた。
「こっちだ。ウスノロども」
トーキヤはこれ見よがしに嘲笑を作ってから、くるりと背を向けて走り出す。怒りの咆哮。追いかけるは左目を切られた大猿。トーキヤの逃げ足は速い。大猿だってそう簡単に追いつけはしないだろう。だがトーキヤよりも大猿の体力が先に尽きることもきっとないだろう。それでもトーキヤは駆けていった。
大猿が二頭に減ったところでロイロが檄を飛ばす。
「ジャンを【灯台】に! 道を拓け!」
それを聞いた兵士らは雄叫びを上げ、蛮勇をもって檄に応えた。
大猿の四腕は軽々と人を吹き飛ばすほど強くその爪は鋭い。されど兵士らは臆さずに大猿に突撃し、剛腕をかわし、殴りかかる。決死の足止めだ。
そこにジャンを中心とした兵士らが砦の入口へ突貫する。意図を察した大猿が突撃を阻もうともがくが、それよりもジャンたちが砦にもぐりこむ方が早かった。
「立ち止まるな! 進め!」
間髪入れずロイロが叫ぶ。彼の声は集団の後ろにあった。ベリックが振り返るとロイロが左脇腹を押さえていた。その裂傷は深く、零れかけた内蔵を右手で押さえるも、鮮血がとめどなく流れていた。
「進め」
ロイロに頷き、ベリックは再び前を向いた。振り返ることはない。ロイロが追いつくこともおそらくない。
砦内には夜勤の兵士が詰めていたが、彼らは一階で無惨な屍となっていた。幸いにして彼らと戦った魔物はそばにいないようだ。ジャンたちは亡くなった兵士の剣を各々拾い上げる。
「中にも魔物がいるってことか」
「ああ。ジャン、魔術は何回使えるんだ」
「二回。それ以上は【灯台】が起動できなくなる」
「聞いたか、俺たちでジャンを【灯台】に連れていくぞ」
ベリックの檄にジャンを除く三人の兵士が頷く。
そして二階への階段を登ろうとしたその時、階上から黒狼が飛びかかってきた。先頭の兵士が剣で受けようとするも受け止めきれず倒される。大口を開ける黒狼の背にジャンが斬りかかる。跳んでかわされる。全員の注意がジャンに向かって唸る黒狼に向けられる。これを狙いすましたかのように階上からもう一頭の黒狼がジャンに向かって飛びかかった。先の黒狼と対峙していたジャンは避けきれない。咄嗟に隣の兵士がジャンを突き飛ばす。彼の首筋を黒狼が食いちぎる。剣技に優れたベリックが鋭い突きを放つ。が、後ろに跳んで避けられる。たたらを踏むジャンに襲いかかろうとする先の黒狼に対し、二人の兵士が斬りかかって牽制する。束の間の均衡。ジャンたちは黒狼に前後を挟まれることになった。首をやられた兵士はもう虫の息で立ち上がることもできない。これで残るは五人。分の悪い状況だ。
もたもたしていると大猿が砦に入ってくる可能性もある。早急に二階にのぼる必要があった。
ジャンは一枚目の切り札を使うことを決意した。
「目を閉じろ!」
雷光は稲光を発するだけの魔法で攻撃力はない。だが四つの眼を持つ黒狼に対しては有効な目眩ましとなる。
その隙に二頭の黒狼に斬りかかるも、黒狼は恐るべき俊敏性を見せ、ベリックたちの一撃は致命傷とはならなかった。
「二人残れ!」
多少の傷を与え仕切り直したとしても二人で二頭の黒狼を相手取ることは厳しい。誰もがそれを理解していた。だがそれでも黒狼に近い二人の兵士は雄叫びでベリックの指示に応えた。
残る三人はベリックが先頭となって階段を駆け上がり、二階に辿り着く。
幸運なことに三階に続く階段に至る道中、兵士の屍はあったものの魔物と遭遇することはなかった。だが兵士を屍にした魔物がどこかにいるのだ。決して油断はできない。
「わかってたぜ」
だから三階に続く階段で再び階上から黒狼が飛びかかってきてもベリックは冷静に回避し、すれ違いざまに切り捨てることができた。
だが手負いの黒狼は腹から血を吹き出しながら一層猛り、ベリックの首筋を狙う。ベリックが飛び退いて回避したところで控えていた残りの二人がとどめの一撃を放つ。それでようやく黒狼の息の根を止めることができた。
階上から二頭目の黒狼は現れなかった。それでも警戒を怠らず三階へ上がる。これで【灯台】まであと少しだ。
三階は奇妙なほど静かさを保っていた。ジャンたちの警戒は強めながら歩を進める。だが中程まで進んだところでベリックが頭上を気にしたのは偶然以外の何物でもなかった。
見上げた天井に丸太ほどの大きさを持つ百足の魔物が張り付いていた。
「上だ!」
ベリックの警告と大百足の落下は一瞬の差だったが、その一瞬が三人の生死を分けた。
「風壁!」
ジャンが咄嗟に作った風の壁は三人をまとめて潰さんとする大百足の巨体を数秒押し留めることに成功した。その数秒で可能な限り大百足から距離を取る。
奇襲に失敗した大百足は上体を持ち上げ、三人を見下ろす。牙のように鋭い顎肢は暗く濡れた光を放っていた。
「俺が止める。行け!」
幸いにして大百足は階段側に位置しており、【灯台】までの通路は塞がっていなかった。ベリックが剣を構えながら大百足に向かって一歩前に出たの同時に、ジャンと兵士は【灯台】の部屋に走る。
ベリックは命に代えても大百足を通さぬ覚悟だったが大百足がベリックに向かうことはなかった。無数の足を蠢かせて素早く壁を這い、壁から天井に張り付き、そのままベリックの頭上を通り過ぎて、ジャンたちに追いつく。
「上だ!」
ベリックが再び警告するも二度目の風壁は使えず、大百足を止める術はなかった。落下する大百足の顎肢が兵士の腹部をいともたやすく食い千切る。
逃げられない。そう悟ったジャンは大百足に斬りかかるが、会心の一太刀は丸みを帯びた大百足の甲殻にあっけなく弾かれた。
「なっ」
驚愕がジャンの体を一瞬縫いとめる。それは大百足を前にして致命的な隙となり、気づいたときにはジャンの目の前に鋭利な顎肢が迫っていた。なんとか回避しようと身を屈めようとするが間に合わない。ジャンは死を覚悟する。だが顎肢はジャンの左肩を切り裂くだけに留まった。
「こっち無視してんじゃねえよ。クソ百足」
ベリックが大百足に剣を突き刺し、大百足の動きを妨げていた。その一撃がジャンの命を救った。
「行け!」
ベリックの叫びに応え、ジャンはただ駆ける。後ろは振り返らない。ベリックなら大百足を止めてくれる。そう信じて。
そうしてジャンは転がりこむように【灯台】の部屋に辿り着いた。後は【灯台】を起動させるだけだ。急いで【灯台】に右手を当てたところで、視界が真っ暗になるほどの目眩がジャンを襲った。世界すら消失したかのような感覚の中、どうしてという疑問と左肩の焼けるような激痛がジャンの意識をかろうじて繋ぎ止めていた。
――毒。
理解したところで解毒方法などない。どうしようもない。毒か。追いついた大百足か。どちらであってもどうせ死ぬだろう。
それもだからなんだと言うのか。ジャンは心の内であらん限り叫んだ。【灯台】だ。【灯台】を起動させる。それが俺の使命だ。後は知ったことか!
目眩の後、膝をついた気がした。左腕はもう動かない。だが右手は。右手はどこにある。ジャンは右手の感覚を確かめたが何もわからなかった。代わりに己の意識がゆっくりと
だからジャンは信じた。【灯台】まで辿り着いた己を。己をここまで送ってくれた仲間を。絶対に右手は【灯台】に触れている。
ジャンは最期の魔力を右手にこめた。そうしていつもの点検のように魔力を流す。
これで大丈夫だ。ジャンは安堵した。その唇に微かな笑みが浮かぶ。もう限界だった。ジャンの意識は暗晦へと沈み続け、二度目と浮かび上がることはない。
だから彼が【灯台】の輝きを目にすることはなかった。
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