妖異事変【旧題:妖異能会奇譚】

十口三兎

序編

プロローグ

多くの犠牲を出した。

大切な人を失った。

各々を絶望へ叩き落とすには十分な出来事だった。


失った命は帰ってこない。


いつか、互いの背中を守りあった日も、何よりもそばにいた人も。


多くの後悔と己の弱さへの恨み、

全てを失ってなお、俺たちは進まなければならない。

前を向いて、未来へ向けて歩み、駆け出さなければならない。


それが、残された者たちの使命だった。




これは、俺たちが命を知る話だ。

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