最弱×最強〜最弱のゴブリンと最強のスキル【強欲】〜

第六章 王都のBランク狩場

第116話 Bランク狩場の情報

　城門前で入市手続きを終えた俺は、迷宮都市〈マイソール〉と同様、高くて頑丈な城壁を潜り、王都へ足を踏み入れた。

　行き交う人々や街並みを眺めながら向かった場所は、冒険者ギルド。目的は勿論、G〜Cランク複合狩場とBランク狩場の魔物情報を確認するためだ。

　扉を開けて中に入り、ロビー内を見渡す。まだ日中だというのに、既に酒の入ったジョッキを呷り、談笑している冒険者達がいた。

　そういう奴等の実力はたかが知れており、【心眼】で所持スキルを視ても、数もレベルも低く、Eランク程度の実力しかない。

　Bランクという上位の狩場を保有する街だから、Bランク以上の上級冒険者をこの目で見てみたいなと思いつつ、資料室に向かった。

　【探索】G〜Cランク複合狩場

　まずは複合狩場の情報が書かれた本を手に取り、出現する魔物を確かめる。

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〈G〜Cランク複合狩場〉

　ゴブリン種の巣窟である樹海。

　樹海内には多くのゴブリン種が生息しており、徒党を組んで冒険者達を襲うことが多い。

　また、複数のゴブリン・キングが集落を形成しており、中級冒険者パーティーが壊滅した事例も多々ある。

　特に注意が必要なのは女性の冒険者だ。奴等は女性は生かし、その場で犯すか、集落に連れて行き犯す。

　あまり近づきたくはない狩場ではあるが、下級冒険者や中級冒険者にとっては生活に関わるので、例年被害者が後を絶たない。

〈生息する魔物〉

　以下略

・ゴブリン・キング

　ゴブリン種の頂点に君臨する王種。

　身長は3メートル近くあり、身体つきはオークやオーガにも劣らない巨体である。

　棍棒を用いた近接戦闘や魔法戦闘も熟す。

※所持スキル

　・【土魔法】Lv.4

　・【風魔法】Lv.4

　・【体術】Lv.5

　・【威圧】Lv.5

　・【指揮】Lv.4

　・【棍棒術】Lv.5

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　俺と同種の奴等が生息する狩場か。ただ、ゴブリン・キング以外は討伐済みの魔物だし、新規スキルも無いとなると、この狩場に行くメリットは無いかな。

　Bランクの上位狩場だってあるわけだし、ここは無視ーーーいや、待てよ。

　同種しかいないこの狩場で俺が変身を解除しても、違和感に気づく冒険者はいないだろう。となると、魔物の仕業と見せかけて、冒険者達を襲えるんじゃね？

　人間しか所持してないスキルも手に入るし、女性冒険者も犯し放題。一石二鳥の美味しい場所かもしれない。

　でも、今まで俺が好き放題してきた奴等は手を出してきた奴だけなんだよな。だから、罪のない冒険者を手にかけるってなると…〈ハザール〉の森で出会ったエイミー達が脳裏を過ぎるから、躊躇してしまう。

　うーん…よし！　この狩場でどうするかは一旦置いておいて、Bランク狩場の情報を確認しよう。

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〈Bランク狩場〉

　鉱山と麓の林に魔物が生息する狩場。

　鉱山内部に2種類、林に3種類の魔物がおり、どの個体もBランク相当なので、上級冒険者以外は安易に足を踏み入れてはならない。

　例年、D〜Cランクの冒険者パーティーが高額の報酬目当てで、大規模なパーティーを結成し狩場に向かうが、大半は生きて帰ってこない。

　生きて帰ってこれても、必ずと言っていいほど四肢欠損などの重傷を負っているので、冒険者稼業を引退するしかなくなる。

〈生息する魔物〉

・キュウキ

　体長3メートル程の巨体は、黄色と黒色の縞模様をしており、胴体から天使をイメージさせる純白の大きな翼が生えた虎の魔物。

　地上を素早く駆けることは勿論、空まで飛ぶことができる。

　人類種を好んで喰らう。

※所持スキル

　・【跳躍】Lv.6

　・【気配遮断】Lv.5

　・【魔力遮断】Lv.5

　・【無音歩法】Lv.5

　・【突進】Lv.6

　・【爪術】Lv.6

　・【飛翔】Lv.6

・マンティコア

　体長はキュウキと同程度であり、顔は慈愛に満ちた老人のような人面で、蠍のような尻尾を生やした獅子の魔物。

　地上を素早く駆けることができ、人類種を好んで喰らう。

※所持スキル

　・【暗視】Lv.6

　・【突進】Lv.6

　・【毒針斉射】Lv.6

・ジェヴォーダン

　体長は2メートル程度で血液のような真っ赤な毛並みをした狼の魔物。

　決して群れることはせず、単独行動。

　遭遇して戦闘になった場合、執拗に頭部を狙ってくる。

※所持スキル

　・【跳躍】Lv.6

　・【突進】Lv.6

　・【弱体看破】Lv.6

・ガーゴイル

　蜥蜴や竜のような頭部と大きな翼、鋭い鉤爪を備えた石像の魔物。

　空中を旋回しながら飛びつつ、獲物の隙を狙い、急降下しながら鉤爪で攻撃してくる。

※所持スキル

　・【打撃耐性】Lv.6

　・【斬撃耐性】Lv.6

　・【刺突耐性】Lv.6

　・【爪術】Lv.6

　・【飛翔】Lv.5

　・【地穿水砲】Lv.5

・ミスリル・ゴーレム

　体高3メートル程の身体がミスリルのみで構成された鉱魔。

　物理攻撃や魔法攻撃にも耐性があり、その巨体と意外な俊敏性を生かす近接格闘は脅威。

　一般的な武器は破壊され、威力の低い魔法はダメージが通らない。

※所持スキル

　・【打撃耐性】Lv.6

　・【斬撃耐性】Lv.6

　・【刺突耐性】Lv.6

　・【雷魔法耐性】Lv.6

　・【火魔法耐性】Lv.6

　・【水魔法耐性】Lv.6

　・【土魔法耐性】Lv.6

　・【風魔法耐性】Lv.6

　・【氷魔法耐性】Lv.6

　・【闇魔法耐性】Lv.6

　・【光魔法耐性】Lv.6

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　俺は一度大きく息を吐き、今読んだ情報を踏まえて、Bランク狩場について考え始めた。