第84話 職業について勉強
最初に声をかけた男性は本屋の場所を知らなかったので、通りがかった別の人に声をかけた。
三人目の女性に本屋の場所を尋ねると、そこまで案内して頂けるとのことなので、ブライアンさんと一緒に女性の後をついていった。
「ここよ」
「案内して頂きありがとうございます」
「気にしないで。それじゃ、失礼するわね」
案内してくれた女性が大通りの向こう側へと歩いて行ったのを見届けると、背後へ振り返る。
店内には木製の本棚に所狭しと本が並んでいる。
早速、店内に進みながら【探索】で職業について書かれた本を探す。すると、すぐに目的の本を見つけることができた。
ブライアンさんに目的の本を見つけたことを伝え、その本がある場所に向かう。
その本の背表紙を確認すると、〈転職の前に必読! 職業一覧〉と書かれていた。
早速手に取り、目次を確認しページを捲る。
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〈職業とは〉
職業は自分の得意なこと、または役割を表すものです。
例えば、【剣士】は【剣術】を所持しており、前衛で敵と戦うことができると分かります。【商人】は【鑑定】や【交渉】を所持しており、物品の品定めや取引ができると分かります。
〈発現条件〉
職業の発現条件はレベルと該当スキルのレベルによって、職業一覧に就ける職業が表示されます。
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〈職業一覧〉非戦闘系
・【農民】 ・【庭師】 ・【大工】
・【薬師】 ・【医師】 ・【絵師】
・【踊子】 ・【娼婦】 ・【楽師】
・【漁師】 ・【役者】 ・【鉱員】
・【調理師】 ・【鍛治師】
・【縫製師】 ・【彫金師】
・【彫刻師】 ・【魔道具師】
・【錬金術師】
※発現条件:レベル10、スキルレベル1
〈職業一覧〉戦闘系
一次職
・【剣士】 ・【盾士】 ・【弓士】
・【槍士】 ・【斧士】 ・【刀士】
・【闘士】 ・【魔法士】
・【狩人】 ・【騎士】
※発現条件:レベル10、スキルレベル1
二次職
・【上級剣士】 ・【上級盾士】
・【上級弓士】 ・【上級槍士】
・【上級斧士】 ・【上級刀士】
・【上級闘士】 ・【上級魔法士】
※発現条件:レベル20、スキルレベル2
三次職
・【剣師】 ・【盾師】 ・【弓師】
・【槍師】 ・【斧師】 ・【刀師】
・【闘師】 ・【魔法師】
※発現条件:レベル30、スキルレベル3
四次職
・【上級剣師】 ・【上級盾師】
・【上級弓師】 ・【上級槍師】
・【上級斧師】 ・【上級刀師】
・【上級闘師】 ・【上級魔法師】
※発現条件:レベル40、スキルレベル4
五次職
・【剣豪】 ・【盾豪】 ・【弓豪】
・【槍豪】 ・【斧豪】 ・【刀豪】
・【闘豪】 ・【魔導士】
・【神聖戦士】 ・【神聖騎士】
・【近衛騎士】 ・【暗殺者】
・【魔獣使役士】
※発現条件:レベル50、スキルレベル5
六次職
・【剣王】 ・【盾王】 ・【弓王】
・【槍王】 ・【斧王】 ・【刀王】
・【闘王】 ・【上級魔導士】
※発現条件:レベル60、スキルレベル6
七次職
・【剣帝】 ・【盾帝】 ・【弓帝】
・【槍帝】 ・【斧帝】 ・【刀帝】
・【闘帝】 ・【魔導師】
※発現条件:レベル70、スキルレベル7
八次職
・【剣仙】 ・【盾仙】 ・【弓仙】
・【槍仙】 ・【斧仙】 ・【刀仙】
・【闘仙】 ・【大魔導師】
※発現条件:レベル80、スキルレベル8
九次職
・【剣聖】 ・【盾聖】 ・【弓聖】
・【槍聖】 ・【斧聖】 ・【刀聖】
・【闘聖】 ・【賢者】
※発現条件:レベル90、スキルレベル9
十次職
…不明。
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す、凄い! 異世界モノのアニメや小説で見た職業がズラリと羅列されていて、とても興奮してしまう!
基本的に職業はレベルは10毎、スキルレベルは1毎で上位職が発現するみたいだ。
でも、レベルもスキルレベルも高レベルになるほど上げるのが困難になるので、【剣聖】や【賢者】などは世界にも、数えるほどしかいなそうだ。
きっと、これまでに数多の強者が魔物と死闘を繰り返し、レベルとスキルレベルを上げて高みを目指したはずだ。
そのおかげで、職業についてこれだけの情報が明らかになったわけだが、最上位職については不明のまま。
この世界に転生した異世界人はスキルレベル10のスキルを所持しているはずだが…。
情報を秘匿しているのか? それとも、異世界人でも最上位職は発現していないのか?
とても気になるが、最上位職の発現条件は傾向から推測することができる。
最上位職の発現条件はレベル100、スキルレベル10だろうな。
(最強への道のりは果てしなく遠いな…)
「ブライアンさん、自分の職業は所持スキルと同じように隠すものなんですか?」
「寧ろ、パーティーを編成する時は職業が大事になるから、隠す奴のほうが珍しい。職業から所持スキルのレベルが分かってしまうが、まぁ所持スキルの一部だけだし、問題はないな」
「なるほど」
「それにしても、これだけ色々な職業があるとは知らなかった。Sランク冒険者やSSランク冒険者はどの職業なんだろうな?」
「気になりますよね」
その後、他のページにも目を通し本を元の場所に戻す。
今は本を抱えるのが邪魔になるので購入はしないが、いずれマジックバッグや【空間魔法】を獲得した時に購入しようと決めた。
本屋を後にし、時間もちょうどいいので、冒険者ギルドに戻った。
受付で緊急討伐依頼の報酬を受け取った後、ついにブライアンさんとお別れする時がきた。
「ブライアンさん、改めてお世話になりました。ブライアンさんのサポートがあったおかげで、Dランクに昇格することができました。本当にありがとうございました」
「いや、俺は何もしてない。アレンの頑張りと実力で昇格したんだ。これからもSランク冒険者、いやSSランク冒険者を目指して頑張れよ!」
「ブライアンさんが自慢できるように頑張ります。では、失礼します」
俺はブライアンさんと別れて、次の街に向けて出立した。
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