第30話スパイスをついにゲット!!

 「いらっしゃい!!お肉焼きたてだよ!!」

 「あら、いらっしゃい。この指輪なんていかが?」

 「冷やかしか?帰れこの野郎!!」

 「りんごか?何個欲しんだい?」

 「甘いデザートは、どうですか!!」


 これが、商店街か……。


 想像以上に賑わってる!!


 食べ物から、洋服、アクセサリーとなんでも売っている。

 ここの街で、唯一ある商店街。

 商店街以外にも店があるらしいが、ほんとに数店舗だけらしい。

 なんでも、儲かっているお店か、誰も来ない店の二つに別れるらしい。


 私は目をキラキラさせながら、お店を見ていく。

 今気になっているのは、なにかのお肉の串焼き。

 さっき家で食べたばっかりだと言うのに、美味しそうな匂いと、見た目でヨダレがたれてきそう……。



 ……危ない!!


 「お姉ちゃん見て!!あのお肉美味しそう!!ねぇ、食べようよ!!ねぇ!!」

 「サリア、初めに食べると商店街の最後にはお腹いっぱいになるから、一通り回った後に買った方がいいよ。今食べたい気持ちはわかるけど」

 「えー!!でも、お腹すいちゃった」


 サリアは最初お腹いっぱい戦略にまんまとハマってしまった……。

 疑似体験時に、最初に食べすぎて目当てだったお好み焼きを食べられず悲しい気持ちになったことを思い出した……。

 あの時の辛さはなんと言葉にしていいものか。

 目の前にあるのに、おなかいっぱいであるせいで食べられない。それプラス、食べられない原因を作ったのも私……。

 サリアにあんな思いをさせる訳には行かない!!



 「ほんとに食べたかったら、一周回ってもお肉の為に我慢できるでしょ。そこまで我慢して食べたら、もっと美味しいお肉になると思うけど。」

 「確かに!!お姉ちゃんすごい!!私そうする!!」


 私の説得が成功したので、サリアは最後に食べ物を決めてくれることになった。

 これで、私と同じ思いをしないで済む!!


 安心安心!!


 私たちは商店街を進んでいるとふと気になる食材を発見した。


 もしかして……スパイス!!


 もしもそうであれば、カレーが作れる!!


 最近知ったのだが、エルフの里では野菜、牛乳関連、魚、など、ほぼ手に入るらしい。


 だが、スパイス系は痺れがあることから危ない食材として、ほぼ存在しないのだ。

 例外はニンニクとコショウぐらいだろうか。


 今回の目当ては、カレーを作るためのスパイスと山葵!!

 後、運よければオーブン(安かった場合)。


 こんなに早く手に入るとは!!


 「お父さん!!あそこのお店に寄りたい!!」

 「あそこか?なんだかよく分からない粉を売ってる店だぞ?」

 「それでいいの!!」


 私たちは、スパイスを売っている出店を寄ることに。

 そこには、タオルを頭に巻いてる男性がいる。


 「いらっしゃい!!どうぞ見ていってください!!これは、私のふるさと料理のカレーに使うスパイスです!!ぜひ買ってください!!」


 きたー!!やっぱりカレーのスパイスであってた。

 しかも、カレースパイスとして完成されているものが売っている。これは非常にありがたい。

 なんと言っても、私はカレーのスパイスなんてクミンがあることぐらいしか知らなかった。

 元々の予定は、クミンと何種類か買ってもらって、研究するつもりだったのだ。


 「カレーに使うスパイスをください!!」

 「本当かい!!もしかして、カレーを食べたことがあるのか?」

 「はい。似たような料理を食べたことがありまして。」

 「そいつは本当か!!来たはいいけど、カレーを誰も知らないから、売上なしで帰るところだったんだよ。お嬢ちゃんは女神様か?よし。おまけするぞ!!どれぐらい買っていくんだ?」

 「お父さん。カレーは今まで食べてきた料理の歴史が変わるほどの美味しさを味わえる料理なんだよ。街に来る機会も少ないし、少し多めに買ってもらいたいんだけど……」

 「そうなのか!!アリアがそこまで言うのなら、銀貨5枚でどうだ?」

 「ありがとう!!お父さん!!」


 銀貨五枚は、疑似体験では5万円ぐらいの感覚。鉄貨が10円。大鉄貨が100円銅貨が500円。大銅貨が1000円。銀貨が1万円。大銀貨が10万円。金貨が100万円。大金貨が1000万円。白金貨が1億。って感じだ。何故か一円に換算するものがないのが不思議でしょうがない。


 太っ腹なお父さんは5万円分もカレーのスパイスを買ってくれる……。何年分になるのか……。


 「では、銀貨5枚分お願いします」

 「……。えっ。もう一度言って貰えますか?」

 「銀貨5枚分でお願いします」

 「只今準備しますので少々お待ちを!!」


 驚いた定員さんは急いで布袋にスパイスを詰めていく。

 混ざっているスパイスを今回は買ったが、別々にも売っている。

 私は、カレーについてそこまで詳しく知らないので、よく分からないが、知ってる方からすると感動を覚えるだろう。


 定員さんはお店に出してあったカレースパイスを全て布袋に入れていた。

 それでも足りなくなったみたいで、自分でスパイスを計ってカレースパイスを作り出した。




 ……。




 さすがに買いすぎたよね……。



 「すみません。お待たせしました!!相当重いのですけど、どうやって運びますか?馬車かなにかあるならそこまで運びますが?」


 そう言って、台車の上にスパイスを入れた袋が何袋も積まれている。


 お店に出してあったスパイスも全て無くなっている為、買い占めてしまったのだろう


 ……。


 申し訳ないことをしてしまった……。



 「すみません。せっかくの商品を全て買ってしまって……」

 「気にしないでください!!今日で閉める予定でしたので、サービスしときました!!結局お客様しかスパイスを買ってくれなかったので、とても嬉しいんです!!」


 定員さんは目をキラキラさせながら、言葉を放っている。

 本当に売れなかったのだろう……。


 カレーを知ったら、喉から手が出るぐらい欲しくなるのに……。

 もったいない。

 そんなことを考えているとお母さんが私たちの前に出てきた。


 「私が持っていきますので、大丈夫ですよ。」

 「相当量ありますけど、大丈夫ですか?試しに持ってみます?」

 「大丈夫です。空間魔法があるので」

 「空間魔法?」


 お母さんは、スパイスの袋に手をかざすとスパイスの袋は突然無くなった。

 定員さんは、驚いて言葉を失っている。

 そんな定員さんを見ながら、お母さんは残りの袋も全て空間魔法に入れていった。


 「マジかよ……。こんな魔法があるなんて……。」

 「大丈夫だったでしょ!!」


 自慢げに言うお母さんに対して、定員さんはまだ言葉を失っている……。

 初めて見れば、誰でもそうなる。

 商人がもしも見ていたら、驚きのあまりショック死してしまうだろう。


 空間魔法は、エルフだけの特権だからね。


 「ありがとうございます!!次回はいつやるか分からないですけど、お見かけしたら、是非声掛けてください!!サービスしますので!!」

 「「はい!!ありがとうございます!!」」


 私たちは、スパイス屋さんを去っていった。

 私たちが見えなくなるまで定員さんは頭を下げて感謝の気持ちを伝えていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

マジでカレー粉は悩みました!!材料を調べてこれがあれで。どれぐらいの対比で作る。とか。それで最終的なものが、混ざっているものを買う!!これが一番分かりやすいし、書きやすいことで収まりまた!!作る時に隠し味として何かしら出てくるかもしれませんのでお楽しみに!!


【お知らせ】

 また毎日投稿始めます!!

 いつまでかは未定です!!


 最後まで読んで頂きありがとうございます。

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