寝て起きたらソシャゲみたいなバトロワが始まったんだけど
守端 蛙助
第1話 編成(プロローグ)
何故か目覚めると病室みたいな所にいた。俺は起き上がり尋ねた。
「ここは?」
「教えられません。立てますか。」
「はい。」
「なら歩いてあちらの部屋までお願いします。」
俺は言われた通り部屋まで向かった. そこに行くと見覚えのある人とない人がいた。そこには大体100人いた。すると、友達の康太の声がした。
「おぉ、裕二お前も来てたんだ。」
「お前こんな状況なのによく平然でいられるな。で、なんで他校奴らと俺らが集められたかわかるか?」
「わかんね。てかなんで他校だってわかるんだよ。」
「制服だよ。この近くの見たことある校章なんだよ。てか気づかなかったのかよ。」
「全く。」
こんな会話をしていると急に放送が流れた。
「えー、皆さん聞こえますか?まず、これは現実です。決して取り乱さないように。今から皆さんに実験をしていただきます。今から皆さんはそれぞれ階ごとに学校が別れていただいて、そちらで自分の部屋と学校別会議室を確認してください。なお階段には監視をおきますので逃げようなんて考えないように。自分の部屋についたら封筒を開けてください。今回の目標を書いたものを入れておきました。どうぞ部屋の確認へ。なお、脱走しようとした場合は容赦無く失敗個体とみなし処理いたしますので。」
放送が終わるとざわつきながらもみんな自室へと向かった。
処理するってそれもう殺すと言っているようなものではないか。
みんなどこかわからない場所でいきなり殺されるって知ったらそりゃビビるよな。
正直、俺もそうだ。
とりあえず、状況把握と情報共有が大事だ。
そこで俺は俺の学校のやつ全員に会議室に来るように言った。
「じゃあ、裕二また会議室で。」
「了解。」
部屋に入ると自分の部屋と同じ内装になっていた。そして机においてあった封筒を開けた。中には紙が一枚とこの施設の地図が入っていた。
(この紙を読んでいるということは自室についたことだろう。なお、放送で目標を伝えると言ったが、今は教えません。生きていればわかります。この言葉を大事にしていればこの実験が終わり元の生活に戻れます。要するに自分達で探ってください。そこであなた達には能力を与えます。その能力を駆使して目標を見つけてください。あと地図を配布しました。どうぞ楽しい生活を。あと引き出しを必ず見てください。能力が書いてあります。)
理解はできたが引っかかる文章だ。たが今ここで迷っていてもしょうがないと思ったのでとりあえず引き出しを開けてみた。引き出しを開けると。一枚紙があった。内容は、
(器用貧乏 あなたの能力は相手の能力を能力の発動を五感で感じた場合その能力をそのまま使えるようにするという能力です。ただし使用は一回。)
「コピー系の能力か。けど発動を感じないといけないのか。あとなんだよ、器用貧乏って。」
俺はこういう系統の異能系作品を結構見てきた。なので理解が速かった。
そして、五感なら視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚で発動を感じればいいのか。そこまで難しくはなさそうだ。
それはそうと、もっと他になにかあるのではないかと思った俺は自室の探索をしようとするとさっきみんなと会議室で会う約束をしたのを思い出した。俺は部屋を飛び出した。そして会議室に着き、ドアを開けると集められた同校のやつがもう全員集まっていた。
「すまん、遅くなった。」
「ホントだよ。」
「で、なにかわかったことあった?」
「いやなにも。部屋に着いて封筒の中身を見てすぐここに来たからね。」
「なんて書かれてた?」
「確認する必要あるか?」
「内容が違っていたら怖いだろ。」
「怖い?まぁいいか。てか持ってきたから見てよ。」
「わかった。」
俺はとりあえず目標と能力のことについて書かれている紙を読んだ。それから全体を見ると、俺が見たのと同じ文章だった。ただ能力の部分が違っていた。
「ありがとう。あと突然だがお前の能力を教えてくれないか?」
「いいぜ。俺の能力はな電気エネルギーを操る能力って書いてあったぜ。名前は避雷針って言うらしい。てか、お前の能力も教えろよ。」
「あぁ、あんまり大きな声では言わないが、俺の能力は能力の発動を五感で感じた能力をそのまま使えるようにするという能力って書いてあった。」
「えっ、何だそれ強くね。」
「いやそうでもない気がする。」
「なんでだ?」
「だって俺が能力を使えるのは相手が手の内を明かしてそれを五感のどこかで感じないといけない。つまり今、俺は能力がないのと同じだ。しかも発動時というのがバレたら俺が能力のコピーをできる機会が減ってしまうだろうから、だから今は隠しておきたい。」
「なるほど。だったら俺の能力を渡そうか?」
「あぁ、じゃあ後で頼む。」
「了解。あと集まったはいいがなにをするんだ?」
「集めたの俺だかわからない。」
確かにそうだ。集まったはいいがなにも情報がないんじゃ意味がない。でもせめてここでも情報がほしいな。なら
「みんなちょっといいか?いま目標はわからないが能力は持っているやつは手を上げてくれないか。」
すると全員が手をあげた。
「ありがとうおろしてくれ。なぁ康太俺は自室に戻るお前も一緒に戻ろうぜ。」
「おう。」
俺と康太は会議室を出た。
「なぁ康太俺の部屋に一回来てくれないか?」
「なんでだ?」
「能力を渡してくれ。」
「あぁ、そうだった忘れてた。」
俺達は俺の部屋に向かった。
「よし能力を渡そうと思ったがどうやろう。」
「そうだな発動を五感で感じられるか。」
「なら俺の能力を目の前で見せるよ。」
「あぁ、頼む。」
「で、これどうやって使うんだ?」
「いや俺に聞くな。とりあえず力を一点に集中させてみれば。」
「オッケー。やってみる。」
そう言うと康太は目をつぶった。
けれど何も起こらなかった。
「なんでだ?」
俺はなにかひらめいた。
「そうだ、ならこの照明の電気を使ってみたらどうだ。」
「やってみる。」
また康太は目をつぶった。すると照明と康太の間に一本の線ができていた。
俺は腰を抜かしそうになった。
そして康太はその電気を消して
「これでどうだ。」
「やってみる。」
俺は康太がやっていたように見様見真似でやった。するとバチバチと音を立てながら電気の塊ができた。俺はそれを康太に放った。
「うわっ。」
康太は驚き、電気の塊が康太に当たった。
「あれっ?何も痛くねぇ。」
「ならその能力は電気エネルギーに耐性を持っているんじゃないか?」
「ありえるな。けどもしそれがなかったら死んでたかもしれないんだぞ。」
「わりぃわりぃ。あとすまんがもう一回能力を渡してくれないか?」
「なんでだ。」
「俺の能力には続きがあって使用は一回ってなっているんだ。だからさっき使ったから今能力なしの状態に戻ったわけだ。」
「なるほど。じゃあいくぞ」
俺は康太を見つめた。そして康太はまた電気の塊を作った。
「よしありがとうこれで能力が使えるようになった。」
そのとき康太は俺の話など聞かずに能力で遊んでいた。すると電気が出なくなった。
「あれ?なんで?」
「どうした?」
「いや遊んでたら電気が出なくなった。」
「ならまた照明に力を当ててみてら?」
「なんでだ?」
「康太自身では電気を生成できないんじゃないかなと思ったんだ。」
すると康太はまた照明の方に力を向けた。
するとまた電気の塊ができた。すると康太はそれを自分に向かって打った。俺は驚いた。
「何してんだ!」
「自分で生成できないなら貯めとこうかなって。」
俺はなるほどと返すようにうなずいた。
すると康太があくびをしていた。
「今日はもう寝るか?」
「あぁそうするよ。あと明日7時に会議室に集合な。」
「了解。おやすみ。」
俺は自室に戻った。今日は俺の能力についてしれたから良かった。
とりあえずまとめよう。
まず相手の能力を使えるようにするには相手の能力をあかさせること。つぎに使えるのは一回だから無駄打ちには注意すること。
この二つを頭に入れておけば大丈夫であろう。
とりあえず今日は寝よ。
〜翌日〜
俺は6時に起きた。康太と会う時間まで一時間あるから能力の確認をする事にした。使った結果問題なく使えた。これで寝ても消えないということがわかった。その確認をしていたら俺も能力を使えなくなった。
そんなことをしていると7時になったので、会議室へと向かった。
会議室の扉を開けると俺らのほかにも1グループいた。
「裕二おはよう。」
「おはよう。」
「で、なんで今日集まったんだ。」
「情報収集。」
「具体的には?」
康太は少し笑って無口になった。
「いやないんかい。」
「なにかあるなと思ってつい。」
「まぁいいや。あと昨日も聞いたがなんでそう焦りがないんだ?俺なんか今でも焦っているのに。」
「俺は今なにが起きているかわからない。だから何もできないんだよ。だからこうしてるんだ。」
「なるほどな。あとちょっといいか。」
「いいけどなにをするんだ?」
俺はこの部屋にいるもう1グループに話しかけた。
「なぁ。お前らはここについての情報を持ってるか?」
「いや何も知らねぇ。」
「そうかごめん急に聞き込んで。」
「なぁ裕二俺今日は部屋に戻っていいか?」
「いいぜ俺もやることがある。」
そして俺達は各自部屋に戻った。そして何もないまま3日が過ぎた。みんなは探索をしても何も出てこず諦めて自室待機をしていた。その時アナウンスが流れた。
「皆さん明日が運命の日です。頑張ってください。」
俺は意味がわからなかった。
そこで俺はあることを思い出した。
あの最初の紙に書いてあった(生き残れ)というやつが動き出すのだと思った。
だがなにをするのか分からなかった。
俺は康太の部屋に行った。
「おい康太今の聞いたか?」
康太はうなずき、
「あぁ聞いたよ。けど俺怖いよ。」
俺がくびをかしげると
「だって運命の日ってことは生き残れってことにつながってくるんだろ。あと生き残れっていうってことは死ぬ可能性があるってことだろう。」
「まぁそうだな、もしかしたら離れ離れになるかもしれない。ただ俺達は今制服だ。だから同じ制服のやつを見たら協力してくれると思うぜ。今はそうしてくれると信じよう。」
すると康太はいつもの表情に戻り、
「あぁそうだな、生きてまた会おう。」
「お前それフラグだぞ、気をつけろ。」
「まじか気をつけよ。あと明日に備えて今日は寝るよ。」
「そっかじゃあおやすみ。」
俺が自室に戻ろうとしたとき、廊下には煙が充満していた。
「なんだこれ。」
俺は口と鼻を抑えて自室に走った。
自室にもその煙が充満していた。
さっきまで走っていた俺はその煙を吸ってしまった。すると目の前が真っ暗になった。
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