書くことのエスキス
石上丁
第1話
文章を書いてまだ日が浅い。知りたいことは多い。ネットを見て、本を読む。
書きかたを勉強するうちに、文章の書きかたの話から、離れてきた。書きかたに応用するために、今は「何かを束ねること」の身体の振る舞いかたや、そのとき起きていることをつぶさに考察している。
書きたいことは変わらない。制作する意識の潜在面を言語化したくて、それを書き進めるヒントを得ようとしてきた。
書く人がどのようにして書いているのか、というのを捉えたい。道具にも着目する。たとえば、ゴミ箱ってどんなエディタにもある、ふつうに、ゴミ箱。けど、現実のゴミ箱そのものを考察しないと、消していいデータの置き場をゴミ箱のアイコンで実装しなかったはずだ。
言葉の魔法だと思う。今はまだ、束ねるとか仮に組むとか割るとか、湖で遊ぶような書き進め方のフローとか歌うようにとか、図面を引くような作業とか、まだエディタの機能にないけども、あったら楽しそうだ。フォトショとかにある、ハサミツール。あれも実際のハサミの感覚でデジタルを扱う方便、レトリックだ。あとはツールの見た目が大切で、ペイントツールの爆発マークとか、うまく想像を働かせている。
言葉が実際に、火薬だったりはしない。メタファーには双方に重ならない部分もあって、言葉の一側面だけを抽象化して取り扱っている。たとえば、ノコギリにも種類があって、カットの仕方が違ったりする。エディタの機能もそういう、メタファーであったら楽しいのではないか。
書くことは、ただキーボードにタイプするだけじゃなく、意識の上ではいろいろな活動を行っている。ただ書くことは幅広い分野の手法を取り入れている。書く人は運動的でダイナミック。それらは目に見えないから、絵よりも文章が表現に向いていそうだ。メタファーを使って、何かに見立てることで、黙々と机に向かっている人の意識を言葉で取り出す。
で、それらメタファーになることの、それそのものを理解しないと執筆する意識の描写に応用できないと思うんです。
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