ゲーム世界が半分くらい日本に来ました!引きこもり高校生の俺がゲーム知識とチートスキルで多数のダンジョンを制覇していく話。ついでになぜか俺を嫌ってるはずの幼馴染になつかれました
にこん
第1話 ダンジョンができました
「あちー」
17歳、絶賛夏休み満喫中の俺は部屋でパソコンデスクの前に座ってた。
1万円くらいで買った中華ゲーミングチェアはギシギシ音鳴ってるし、皮はボロボロ崩れて床に落ちてる。
黒色のカスが床一面に散らばってる。
「いやー、流石令和最新版のゲーミングチェアだわ。(なにが流石なのかは言わんけど。)」
てか、
「有名メーカーの新しい椅子欲しいなー」
つっても金なんてないから買えないんですけどね。
このゲーミングチェア買った時、商品ページに防水、防音、防爆とかいろいろ書いてあったんだけど、なにひとつ効果が実感できない。
防音ならせめてギシギシ音鳴らないようにして欲しいもんだ。
つーか、防爆ってなんなんだろう?
未だに分からない。
(字面的にやっぱ爆発を防ぐような効果?)
ま、どうでもいいか。
少なくとも普通に生きてたら、防爆の効果を実感するような出来事なんてないと思うし。
「はー、だっるー。暑くて眠くなる」
ゲーミングチェアについてるフットレストを引き出してリクライニング機能もオン。
仰向けに寝るようなかっこうになった。
そのとき、バキッ!
足がカクンッと下に下がった。
「なんだ?」
上体を起こして足の方を確認。
どうやらフットレストが壊れたようだ。
ヒンジが根元から壊れてた。
「……おいおい、人がせっかく寝ようとしてんのに」
ついてない。
その時だった。
ドォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!
「どぅわっ?!」
背後から激しい物音。
「なんだなんだ?」
後ろを振り返ってみた。
しかし、なんともない。
「地震か?」
スマホを確認。
速報は無い。
「遅れているのか?」
まぁいいや。それより、今の音がなんだったのか確認しよう。
たしか、クローゼットの方から物音が聞こえた。
「なにかがクローゼットの中で落ちたのか?いや。それでもあんな音はならないと思うけど」
まぁ、現状を確認するためにもクローゼットを開けてみよう。
パカッ。
クローゼットを開けてみると、風が吹き抜けるような音が聞こえた。
ヒュォォォォォォォォォォォォッ。
「まるでゲームに出てくるダンジョンみたいじゃないか」
誰だ?こんなところに下り階段作ったのは!
俺の部屋のクローゼットの中に下り階段作るんじゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!
・
・
・
落ち着いた。
「おい、ところでさ。俺のエロゲーどこやったんだよ」
俺はエロゲー買う時はパッケ派だ。
限定特典ついてるし。
そのエロゲーのパッケだが、基本的にはクローゼットに放り込んでいる。
家族に見られたらやばいからだ。
『あんたまだ未成年でしょっ!』
とか言われるのは目に見えてるから。
だが、これが裏目に出た。
「百歩譲って下り階段作るのはいい。エロゲーどこやった?返せよ」
ひょっとして、この先にあるのか?
下り階段は真っ暗だ。
「……」
【炎の触手学園】というエロゲーが俺のお気に入りだ。
それのパッケージも現状失われている。
しかも特典の抱き枕もまだ未開封なのに。
「3万円だぞ?限定版」
どこやったんだよ!クソ野郎っ!
18歳になったら抱き枕使おうと思ってたのに!
おい!どこのどいつだ!
階段作りやがったの!
「嘆いても仕方ないか」
すぅ、はぁ。
深呼吸。
「降りるか、階段」
こええけど、3万円をこのまま失ったままなのはさらに怖い。
その前に、武器を探そう。
このさきにはなにがあるのか分からないし。
チラッ。
「防爆仕様のフットレスト持っていくか」
ちょうど壊れてるし。
防爆って言われるくらいの耐久仕様ならナイフくらい防げるんじゃないか?
フットレストを左腕にロープで巻き付けた。
盾みたいになった。
「お前の、令和最新版の防爆効果見せてくれよ。チャイニーズゲーミングフットレスト!中国3000年の防爆効果!刮目せよぉぉぉぉぉぉぉ!」
さぁ、行くぜっ!
(っと、その前にスマホとモバイルバッテリーも持っていくか、一応)
・
・
・
準備を済ませて俺は階段を降りていった。
階段を降りると、そこは草原だった。
「なんでっ?!」
どうなってるんだ?
つーか、
「なんだよあれ?」
草原ではメラメラと顔を赤くしたモンスターみたいなのが歩いてた。
なんで俺のクローゼットの下にあんなのがいるわけ?
つーか、あのモンスター見たことがあるぞ。
思い出した。
【炎の触手学園】に出てきたモンスターだ。
名前は、ボンバーロック。
刺激を与えると爆発するモンスター。
「爆発……」
チラッ。
腕のフットレストを見た。
「防爆……」
爆発×防爆=?
答えは出た。
腕からフットレストを外した。
「くらえっ!ゲーミングフットレスト!」
ぶん投げた。
当たった。
ピカッ!
ボンバーロックが光った!
ボカァアァアァアァアァァン!!!
爆発した。
ボンバーロックがいなくなった。
果たして、俺の防爆ゲーミングチェアはどうなったのだろう?
確認してみよう。
……まじかよ。
「これが、防爆効果なのか?すげぇじゃん」
俺が投げたフットレストは完璧な形で残っていた。
フットレストを拾い上げた。
ジロジロと見つめる。
どうやらこのフットレストには令和最新版の技術がみっちりと詰まっていたらしい。
「やっぱ流石だなぁ。令和最新版は」
つい先程同じようなセリフを吐いた覚えがあるが。
意味合いはまったく違っていた。
ありがとう。令和最新版。
最新版じゃなかったら命はなかったかもしれない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます