第5話 戦争

 ギェナコビン帝国の統帥であるラフィタビは、銀の鎧と兜を身に着けた5000人を率いる軍を指揮していた。人数は少ないながらも、日々鍛錬している者たちでひとりひとりの力は強かった。

 山間部に流れる川を境目にして、国同士の戦いが行われた。上流から流れる川の勢いは激しく、動物たちでも渡る切るには命がけだった。そこへ、たくさんの軍が集まっている。

 対するクオルーブンダ帝国は20000人の軍隊を率いている。戦いに普段関わらない者たちも含まれているため、軍力は人数が多くとも微弱であった。


「我が家族よ! 今という時間を絶対に忘れるな。数多なる血と汗が飛び交う戦いとなるだろう。だが、我々は恐れることはしない。ただひたすらに国を守るため、いざ剣を取り、立ち上がろう。勝利は我々の手中の中にあろうぞ!! 一丸となって戦い抜くことは我々の使命だ! 勝利は我らの手に!!」


 ギェナコビン帝国の統帥であるラフィタビは大きな声で叫び、勝利を宣言した。5000の軍隊は剣を振り上げて、血の底から湧きあがるくらいのそれは大きな叫び声をあげた。


「「「「「「「おーーーーーーー」」」」」」」


一方、その頃、クオルーブンダ帝国の20000人の軍隊の統帥であるオンドレイは呆れた顔をしていた。


「ほざいてろ、ほざいてろ。結局、人数はこちらの勝ちである。勝利は確実に我らのものに決まっている。勝負するまででもない気がするが、戦いが目の前に待ち受けている。ここで逃げるわけにはいかない!! 我が同志よ、兄弟たちよ! この地をたくさんの血と汗で染め上げてみせようぞ!! さぁ、今こそ、剣を振り上げ。戦いに臨むぞ。我らの団結が勝利を導くのだ!」


「「「「「「「おーーーーーー」」」」」」」


 20000の軍隊は、剣を振り上げて、叫んだ。人数が多すぎて、声で地震じゃないかというくらい地面が震えた。


 ここにセヅェノノーフの谷の戦いの火ぶたを切られた。


 まだイラリオが体を切断する前であり、この銀の鎧と兜を身につけて、ギェナコビン帝国軍隊の中に含まれていた。

 


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る