【ボイスドラマ】私立・聖コープル女子高等学園「エロ研究部へようこそ♡」(※エロくはないです。矛盾では?)【「G’sこえけん」応募用に文章調整】
第3話(ボイスドラマ) 顧問のセンセはピチピチでナウなヤ~ングっ♡ 察せ。
第3話(ボイスドラマ) 顧問のセンセはピチピチでナウなヤ~ングっ♡ 察せ。
「いやぁ~~~……暇ねぇ~~~……」
「ん~~~……ぉ~~~……」
いつもの室内で、だらだらとするルナとカヲリ。
そしてすみれが、黙々と読書にしつつ物思う。
(……こうして何をするでもなく、ただゆったりと過ごす時間も……なんだか、悪くないですね。まあ文芸同好会なので、元々何をするでもないですが……互いが
普段とは違って静かな放課後に、くすっ、とすみれは
(
穏やかに過ぎていく、今という時間を――
―――バーンッと音を立てて勢いよく開かれた扉が、打ち破った。
「ミンナ元気してるぅ~~~!? あたしは今日もチョベリグだぞ~★ みんなもナウなヤングとして、
「「「……………」」」
穏やかな雰囲気から一転、室内を冷凍庫みてぇな空気に叩き込んだのは、この学園の教員であり、〝文芸同好会〟の
そんな顧問の女性に、
「あ、あの……何かもう、どこを
「あ、ああ、そうか、すまん……また間違えてしまったようだな、あたしというヤツは……」
バツが悪そうに後頭部をかく、そんな素振りと口調こそが、彼女の
姓は
イヨーッポポンッ(
そんな堅苦しい女教師が、
「いや、
もうこの時点で色々とアレだが、気落ちする女教師・黎に、ルナは励ますように声を上げた。
「……ううん、そんなコトない……そんなコトないよ! だってホント初めの頃は、一人称だって〝自分〟とか言ってたのに、今は〝あたし〟って改まってんじゃん! ちゃんとできるようになってきてるよ、鬼河原センセは! ね、カヲリ!」
「そ、そうッスよ! その昔この
「……お、お前たち……!」
ルナとカヲリの励ましに胸を打たれたのか、じーん、と感極まる黎の続く発言は。
「んも~~~っ★ 鬼河原なんて厳ついほうで呼ばないでってば~★
「「………………」」
「すまん。今のは間違いだったのだろうと、さすがのわたしでもこの空気で
まあとにかく、と立ちっぱなしの顧問教師な彼女に、ルナは椅子に座るよう
「ま、まあまあ、えと……
「おお、そうだな。お言葉に甘えるぞ……
(いやそっちは
微妙な表情をするルナには気付かず、黎は勧められた通り、椅子を引いて着座した――その瞬間。
「―――どっこいせ、っと。ふ~~~……」
「黎ちゃん
「うおっ。な、なんだどうした江神、急に大声を出して」
「〝どっこいせ〟はダメでしょ! 女子力が、死を! 死を迎えちゃうよ!?」
「えっ、言ってた? そ、そうか、完全に無意識だ……す、すまんな」
「ホント、気をつけてくださいよ……20代前半なんでしょ? まだまだ若いって、普段からジブンで言ってるじゃないですか……!」
「そっ……そうだとも! 20代前半の、まだまだピチピチでナウなヤングだともっ!」
「センセッッッッッ!!!」
ルナに怒られ再びバツの悪そうな顔をする黎に、カヲリが作り置きしていた麦茶を一杯、マグカップにいれて差し出す。
「ま、まあまあ落ち着いて、お疲れなんスよね。一杯どーぞ、黎先生」
「お、おお。すまんな
可愛らしいピンクのマグカップの取っ手に指を入れ、黎が自身の口に運ぶ。
リップも塗られていない黎の唇はそれでも
「っ゛あ゛~~~っ……生き返るわ~~~」
「―――
「うおっ。どうした江神、あんまり大声を出しすぎると喉やられるぞ」
「〝生き返る〟どころか! それは復活の呪文じゃなく、死の呪文! わかってます!? 黎ちゃん先生の女子力、秒ごとに死んでってんですよ!?」
「んなっ……そ、それは困る! くっ、あたしは一体どうすれば良いんだ!?」
頭を抱える黎だが、「はあ、はあ」と息切れするルナが、少し離れた場所に座るすみれが本を持っていないことに違和感を覚える。
「はあ、はあ……ん? あれ、すみれちゃん……さっきまで本読んでたのに、
「ああ、いえ。先生がお見えなのに、失礼かなと思って。それだけですよ」
「おぉ……礼儀正しいし上品だわ、さっすがすみれちゃん、文学美少女……♡」
変な感心をするルナは、すみれが普段から何を読んでいるのかを知らない。
と、悩んでいた黎が、すみれに対しても声をかけた。
「お、
「いえいえ、先生の教え方が良いからですよ。いつも丁寧で助かってます」
「そ、そうか? ハハ、照れるな……ああ、えーっと……その、なんだ」
話題を探しているのか、黎が軽く後頭部を掻くと、
そしてすみれに対し、黎がおずおずと口にした話題とは。
「最近……学校、どうだ? 楽しいか? まあ何だ、何か悩みでもあったら、言いなさ――」
「
「うおっ。どうした江神、発声トレーニングでもしているのか? そういう向上心、先生は好きだぞ。ちょっとうるさいけども」
「アタシの喉のコトなんて今どーでもいいんですよ! もう黎ちゃん先生の言動、古いとか超えて
「な、なんだと!?
「ク、クソ……? よくわかんないけど、そうですよ、クソとか言われちゃってもおかしくないくらいヤバイですよ!」
(例えで真っ先に九相図が出ちゃう時点で、古風とかのレベルでもないですけど)
※〝九相図〟自体はかなりグロテスク系なので、苦手な方は調べないでくださいネ★
さて、すみれが心の中でツッコんでいると、カヲリがルナに囁く。
「おいルナ、アレだろ、ほれ。呪術が
「!
(それは三番目……というか
すみれは心の中でツッコむ女。
まあそれはそれとして、はっ、とルナがなぜか何かを
「! けちず、けち……ケチ、エチ、エッチ……それ即ちエロ……!?」
「めっちゃ無理やりだな。だがそれがいい。で、ルナ、そのココロは……!?」
「決まってるでしょ、カヲリちゃん……黎ちゃん先生の息絶えた女子力を復活させるための呪文……イマドキの女子高生たるアタシ達で、
「エロ話のことザオリクって言うな。んで、な、なにィ―――ッ!? ルナこのヤロウッ……かっとびやがったな!? かっ〇び一斗かよオーイ!」
(かっ〇び一斗や第三野球部が自然と出てくる今時の女子高生とは一体……)
すみれが心の中でツッコむ一方、ルナとカヲリは大盛り上がりである。
「やっぱ思春期特有の若いエネルギーったら、
「盛り上がってきたなオイっ……なら一発カマしてやろーぜ! エロの
「らしくなってきたじゃんっ……これぞエロ研究部の本領――」
「―――――オイ」
「「!!!?」」
黎が発した地の底から響くような声に、びくっ、と身を震わせるルナとカヲリ。
失敗した――当然だ、相手は教師。先ほどまでの言動はアレだが、根は(たぶん)真面目一徹。そんな人物の目の前で、エロトークなど
威圧感さえ発する黎が机越しに、そのままの低い声で前のめりになって問う。
「最近の若い女子にしてみれば……そういった
「……ひゃいっ!? わ、
「……ほう、そうか、なるほどな。若者としては当然、か。……ふぅ~~~っ……」
大きく息をついた黎が、座ったまま腕組みをし、椅子の背もたれに大きくもたれかかって――
その体勢で視線だけルナとカヲリに向けて、一言。
「――――続けろ」
「できるかっっっ!!!」
「えっ。な、なんでだ江神。とりあえず普通に話してくれれば良いんだが……?」
「もうガチでそんな空気じゃなかったよ黎ちゃん先生! 怖いわ!
「裁判……第二審の始まりくらいの緊迫感か?」
「いえ知らんですけども! 何となく言っただけだし! んも~~~~ぉ!!」
「おお、ロングトーンが
(どっちにせよ今日、結局なんにも活動してないな……)
なんかもう黎ちゃん先生が全部持っていった。
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