火葬のあと、クロッカスの君へ

枕川 冬手

序詞

クロッカス


秋の静けさに生まれ


冬の無声の中で眠り


春の祝福に目を覚ます花


冬に目を覚ました君よ


声の無い孤独と


打ち付ける吹雪と


その中で何を見たのか


ああ、君よ


私は春を見ている


君の見れなかった春を、見てしまっている




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