暗号文解読

鹿

知人からとある暗号が送られてきたので、解読してみましょう

 暗号文A

[ふあ わぬあ わふあ あふ うぬ え ぬう わぬあ ぬぬ うぬ わうぬ あふ え うぬ あふ ぬう わえ ふあ ぬぬ うぬ わえ ふあ ぬ ぬ うぬ ぬう ぬう ふぬぬ え うぬ ぬう ふぬぬ ぬあ え ぬ ぬ ぬ あふ]

 何かの怪獣の呪文とかに見えますね。

 当然これではなにも理解できませんね。

 では、どのようにこれを変換していくか。

 もしお手元にかな入力できるキーボードがあればご覧ください。

 この文字のある場所は、全て1234567890の数字キーですね?

 そう、これはみかか暗号と呼ばれた、かな入力暗号です。

 ぬ=1

 ふ=2

 あ=3

 う=4

 え=5

 お=6

 や=7

 ゆ=8

 よ=9

 わ=0

 と変換できますね。とは言っても、は出てこないんですが。


 暗号文B

[23 013 023 32 41 5 14 013 11 41 041 32 5 41 32 14 05 23 11 41 05 23 1 1 41 14 14 211 5 41 14 211 13 5 1 1 1 32]

 これだけはなんのことやら、ですね。

 ここで注目するべきは、この数字の羅列が全て5以下であること。

 かつ、先頭に0が来ることから、十進数の数自体はそこまで重要では無いと分かります。

 このような数字の羅列に意味を見出すとすれば、画像圧縮の際に用いられることのある0,1の数を十六進数で表記するそれでしょう。

 ですので、まずはこの数字の羅列を二進数に変換します。


 暗号文C

[00111 1000 11000 00011 00001 00000 01111 1000 01 00001 11110 00011 00000 00001 00011 01111 11111 00111 01 00001 11111 00111 0 0 11110 01111 01111 0010 00000 00001 01111 0010 1000 11111 0 0 0 11100]

 してみれば、かなりすっきりとしていますね。ここでやれることはかなりあるのでトラ&エラーでいきましょう。

 ただ、二進数を情報としてあらわすのに最も簡単な手法は、モールス信号でしょう。0を・=トン、1を-=ツーに変換します。


 暗号文D

[・・--- -・・・ --・・・ ・・・-- ・・・・- ・・・・・ ・---- -・・・ ・- ・・・・- ----・ ・・・-- ・・・・・ ・・・・- ・・・-- ・---- ----- ・・--- ・- ・・・・- ----- ・・--- ・ ・ ----・ ・---- ・---- ・・-・ ・・・・・ ・・・・- ・---- ・・-・ -・・・ ----- ・ ・ ・ ---・・]

 ここまでくればかなり解読が近くなった気がしますね?

 和文と欧文のモールスがありますが、意味の通る方を選びます。

 今回は欧文モールスのようです。


 暗号文E

[2B73451BA493543102A402EE911F541FB0EEE8]

 どこが意味通ってるの?と言う話ですが、これは十六進数の羅列です。

 0~Fまで、きっちり十六文字で整っていますね。

 しかしながら、これをどうこねくり回しても文はできません。

 そこで、ここはシーザー暗号、つまり文字のずらし暗号を使います。

 今回は一つ前にずらします。


 暗号文F

[1A62340A93824320F193F1DD800E430EAFDDD7]

 そして最後の仕上げです。

 ここから十六進数(0123456789ABCDEF)を三十六進数(0123456789ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ)に変換します。

 これで英文が完成します。


 解読文

[floccinaucinihilipilification]

 floccinaucinihilipilification、といえば、とか、とか、そう言った意味を込められたくそ長単語ですね。この暗号解読の本質を表しているような気がします。

 ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

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暗号文解読 鹿 @HerrHirsch

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