第17話 AI技術が進んだ社会からのレポート

 人としてこの世に生を受けたからには何を為すべきか、と考える時代はとっくに過ぎた。そして、何を為さざるべきかの時代も実は終わっている。人類は、人工知能やそれに付随する色々によって「何も為す必要がない」生命体へと完全に零落した。

 人類の存在意義とは? という考えさえ、問題にされなくなった世界――。

「夢は見るもの、語るもの。叶うことはあり得ない」という人生を人類は送っている。

 でも。いいじゃないの、幸せならば。

 ここで余談だが、私は幸せじゃないから、いい人生ではない。

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