邪のルーレット

@NewtonP

邪のルーレット

狂いのルーレット

君が消えたあの日、僕は”神”になった。20XX年、日本は、文明都市になっていた。仕事はAIが管理し、学校は全てICT技術学習だけになった。何か、人間の価値がなくなってたような気がした。


〜月曜日〜

僕は颯爽と起きた。リビングに行くと、机の上に冷えた目玉焼きがあった。ラップをかけて、レンジでチンをした。僕は、部屋に戻った。何か、学校に行く気がしないから。さっと、パソコンの前に座る。パソコンを起動する。画面に、天気予報が映し出される。あぁ、今日は雨か。でも、そんなことは関係ない。さぁ、俺のshow timeの始まりだ。僕は、人間掃除の仕事をしている。社会のゴミを一掃しないといけないからな。雨模様の空に切れ目が生じ、異空間へと転送される。そこには、山ほどの人の山が。さあ、今日も始めよう。ポイ捨てする奴、パワハラする奴、社会にはゴミばっかりwやりがいがあるぜ。ん?今、何かあったような…?まあいいか。


〜火曜日〜

今日も、学校なんか行く気が起きない。そして、”いつも通り”仕事をする「予定」だった。しかし、突然インターホンが鳴った。覗くと、1人の女の子が立っていた。それも、可愛い。まるでヒロイン見たいだ。ドアを開け、彼女を部屋に入れた。話を聞くと、どうやら家出してきたらしい。毒親に当たり、虐待され続けたところ、耐えきれず逃げてきたらしい。俺は、とりあえず曲がった奴が嫌いだ。その子の親を処分することにした。空に切れ目が生じ、雲が集まり出す。雷鳴がとどろき、その子の家に落ちた。周りにあった雲が、家の周りに集まった。家が燃えだした。雲が邪魔で、レスキュー隊が入れないみたいだ。成功だ。さあ、今日もやるか。


〜水曜日〜

昨日の少女は、養子に引き取られるらしい。でも、どこかで見たような…さて、今日は、俺の仕事について話そう。実は、俺は生まれつき体が弱かった。そのせいか、いじめにあうことがよくあった。恫喝、暴行、仲間はずれ、パシリなど色々。マジで死にたかった。でも、そんな時1人の女の子が声をかけてくれた。その子もどうやら、いじめられているようだ。僕が死にたいと思っていることを話すと、必死に止めてくれた。長いいじめ期間を乗り越えて、ついに高校生へ、その子とは途中まで付き合っていたけど、高校入学と同時に、離れてしまった。彼女は頭が良く、県で1位の高校に行った。その点、僕は最下位。いつかまた会えると信じてるけど。しかし、高校に入ってすぐ、いじめを発見した。今度は、僕ではなく、1人の男の子。助けたい、助けてあげたい、でも、足が前に進まない。結局、助けられないまま、その日は終わってしまった。帰り道、目の前の空き地に一筋の光がさしていた。僕は、そこでこの能力を手に入れ、いじめるような奴(バグ)を削除していった。そこで、今に至るって訳だ。


〜木曜日〜

僕は、いつも通り掃除をしようとした。しかし、パソコンが機能しない。何故だ。あ、やっとついた。そう思った次の瞬間、画面いっぱいに、誹謗中傷や暴言の嵐。そして、昔の僕をいじめていたヤツらの写真まで。誰が、何のために、こんなことをしている?急いで、もう1台のパソコンに切り替え、アカウントにログインしようとしたが、ダメ。そこに、1件のメールが。


拝啓、?????様。

この度は、我社のサービスを、ご利用下さいまして、ありがとうございました。それでは、このサービスの代償の時間となりましたので、始めさせていただきます。

なんだ、これは…無視しよう。そう思い、テレビをつけると、信じられない光景が広がっていた。「全世界のパソコンに、不正なアクセスが発見されました。犯人は、未だ特定されておらず、警察は捜査を続けておりますが、大変なことになっている模様です。アメリカの軍事施設に違法アクセスがあり、武器庫が開いたままになっているそうです。」「ってことは、数千発の核ミサイルが自由に手に入るということですか?」「そういうことになると思われます」

嘘だろ…もしかして、俺のせい…?僕は、泡をふきながら倒れた。


〜金曜日〜

僕は、誰かの声で目覚めた。その声の正体は、前の女の子だった。もしかして、これって君?そう言うと、彼女はスマホに映し出された、僕の顔写真を見せた。な、なんだこれ?今回の件、君が犯人になってるよ!?本当に君がやったの?と彼女が言う。僕は、知らないよ!と返す。とにかく、ここから逃げないと、警察が来ちゃう!僕と彼女は、とにかく急いで家から離れた。僕には、お母さんとお父さんがいた。お母さんは、2年前に他界。お母さんが亡くなってからというもの、お父さんがおかしくなってしまった。運命の石など、意味のわからないスピリチュアル的な物を集めだした。そして、3ヶ月前、お父さんは疲労で死んでしまった。とにかく、僕と彼女は、一筋の光がさしていた空き地に向かうことにした。行く最中に、見た街の光景は、酷く、変わり果てたものだった。信号はハッキングされ、電光掲示板には、様々な電話番号が。色んな人の個人情報が晒されているのだ。電車は止まり、店は閉まり、人々は、混乱しまくっていた。そして、あの空き地に到着した。すると、お守り代わりにつけていた、あの子から貰ったペンダントが光り輝く!


 〜土曜日〜

目が覚めると、そこは何一つない真っ白な世界だった。隣を見ると、一緒に来た女の子がいた。とにかく、ここから出よう!そう思い、彼女を連れて走り回った。何も無い。そう思った時、一瞬にして周りが黒く闇に染まった。隣にいた女の子は消え、前に色んな物が映し出される。すると、どこからか声が聞こえてきた。


「座りなさい、坊や。」その声は、荘厳で重く、響く声だった。「君は、やりすぎたようだね。」彼はそういった。「せっかく、やり返すチャンスを与えたのに…君が無造作に処分した人々の怨念がこうやって、現れてるんだよ。ちょっと、歩きスマホしただけなのに…ちょっとポイ捨てしただけなのに…」と暗い声が聞こえてきた。次の瞬間、「ด่าคุณต่อไป!ด่าคุณต่อไป!ด่าคุณต่อไป!ด่าคุณต่อไป!ด่าคุณต่อไป!ด่าคุณต่อไป!ด่าคุณต่อไป!ด่าคุณต่อไป!」

すごい数の声が聞こえてきた。何も聞き取れないくらいの。

でも、何で僕がわるいみたいになってんだ?僕は、社会のゴミを掃除しただけ。何か悪い事をした訳じゃない。それなのにどうして!?「これが社会のゴミというのか?」そう言うと、目の前に、さっきの女の子が現れた。何言ってんだよw別にこの子は、何も悪いことをしていない。そう言うと、「その通りだ。だが、こいつはお前が殺したんだよ。」と言った。は?何言ってんだよ(笑)そんなわけないだろwすると、確かにこの子が俺に処分されている。何故だ?何故だ?何故だ?「お前はな、生半可な気持ちで、無関係の人を沢山殺したんだよ。だからな、今こうなってんだよ。あと、これを見ろ。」そう言って、彼がとあるものを見せた。


俺の彼女の写真だ。どうして、あんたがこんなものを?「見てみろよ。」すると、その女の子が俺の彼女になった。嘘だろ、嘘だろ、嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ?

 

 〜?曜日〜

気がつくと、そこは家だった。夢だったのか?そう思い、パソコンをつけた。そこに映し出されたのは、さっきの女の子の写真。その下の記事は、【一人の女の子 消息不明 これで500人目】と書かれていた。そうか、俺はこれほどの人を…そのまた下を見ると、女の子の名前が載っていた。その名前と、俺の元カノの名前が一致した。虐待とかは、どうやら俺が見ていた幻覚だったらしい、つまり、俺は関係の無い2人(親)を殺したのか…。いや、本当に2人だけか…?もしかすると、僕は、僕は、僕は…!


俺は、正義のヒーローなのか?

一体、正義ってなんだ?善ってなんだ?何もかもが分からなくなり、目の前が真っ暗になった。行き過ぎた正義が、いつの間にか理不尽な悪へと変わっていた。


いよいよ、僕もアイツらと同じ”社会のゴミ”か。そうか、僕みたいなやつが、人間の価値を下げていたみたいだな…そうだ、社会のゴミ、すなわち、バグは、


削除されないとな。


彼の日記は、ここで終わっている。


何が正義なんだろう。正義っていい事だらけなのかな?

???「君はどう思う?」

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