たちまち訳あり女子
はてや
第1話
[ たちまち訳あり女子 ]
朝、通学路。
(今日は待ちに待った学校の入学式なのに何で俺は寝坊してしまうんだ!)
わくわくしていた高校生成りたての「好一瞬冶・こういちしゅんや」は急いで高校に向かっていた。
『ここの角を曲がって近道だ!』
すると。
『あわぁぁ、急げー。』
そんな声が聞こえた瞬間、俺は道の角先で女の子に衝突した。
ドンッ。
(わぁ。ビックリした。)
そこには小柄な美しい金色の髪をした女の子が居た。
『いてて、すみません。前見てなくてうっかりです』
『僕もすみません、、ぁ!』
その子に謝罪しながら前を見ると、純白の聖域がこちらを覗いていた。
『え、何ですか?』
俺の視線の先に女の子は気付いた。
『キャー!!見ましたか!見ましたよね?八つ裂きです。八つに裂いてやりますよ。』
顔を赤く染め瞬冶に小さな殺意を向ける。
『見てない、見てないでーす!』
、、、うそである。
『そ、そうなんですか!ごめんなさい疑って。』
その子は俺へ軽く頭を下げた。
『立てますか、僕も周りが見えて無くて。』
俺は紳士的に手を差し伸べて、彼女に語りかける。
『ありがとうございま!この手汗の感じは』
女の子は手を入念に触ってきた。
(な、なにしてるんだこの子!?)
そして触り終えた女の子は瞬冶の方をピシッと見る。
『これは嘘をついている味だぜ!舐めて無いけど』
昔あったネタをするものだから俺は咄嗟にツッコんでしまった。
『それ、あの人じゃん!そして、絶妙似ていない顔を決めるのをやめろ!』
(やべ、つい。)
その子へ謝ろうとしていた。
『良いツッコミですね!センスありますよアナタ!』
俺はキョトンとしていた。
『あ、ありがと。て、そんなこと言っている場合じゃ無かった!』
その間も時間は進んでいることに気づく。
キンコーン、カンコーン。
鐘の音が聞こえてきた。
『やっべぇ油売っちまった。急ごう!』
俺は制服の襟を直すのも忘れ話しかけた。
『え?どこに?』
『学校だよ!』
『そ、そうでした!でも、私、行く、、、』
その子がお腹に手を当て黙り込んだ。
(やべ、もしかして地雷踏んだか?)
『ご、ごめん。わるかっ』
、、、。
瞬冶が女の子に謝ろうとした時。
『私、朝ごはん食べてませんッ!シク、シク』
そんな事を女の子は言い放った。
俺はキョトンとしてその子の話をそれ以上聞く気には慣れなかった。
『なんじゃそりゃ!早く行くぞ!』
『でも、でも、朝ご飯はーッパグゥ!!』
俺はその子にパンを無理やりねじこんだ。
『これでも食べてろ!』
『う、う。』
『なんだ?まだなにかぁ』
また、黙り込んだと思うと彼女は目を輝かせた。
『お、おいひぃー。』
涙を少し流しながら食べていた。
『そ、そうかうまいかぁ。てか、お前なんかアホっぽいな』
『な、なんだったって?』
女の子こら鋭い眼光が刺さる
『ごめん、つい』
『私の名前はオーマエじゃないよ!』
(オーマエ?あ、お前のことね!ってー)
『ヤバいヤバい時間が!』
『私の名前は、、、って!聞いてよー』
急いでいた俺は『あとだ後!』言い放つ。
目的地の高校前。
『それでは、新入生は急いで校内にー。』
(放送で呼んでじゃん!)
『やっべぇ!急げ。』
新入生を呼ぶ放送が聞こえ、瞬冶は焦っていた。
『名前をまだ言ってないよ!』
女の子はまだ名前の事で話していた。
『後にしろ!それより急げ!』
瞬冶は焦り、その子の手を取って走り出した。
『突然何よ!、、、はーなーせ!離せー!』
『もう一人の僕?!って、急げー!』
その子を連れ急いで向かった。
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