クソゲ転生☆ドラグーン・ブレイド!―好きなキャラとハーレムパーティ組んでこの世界で生きていく―

Colvo

第1話「クソゲRPGに転生!」

「ここは、まさかネオガイアの首都・カミシラ!?」

 彼、佐藤尚樹は転生していた。


近代文明に魔法が合わさったような街並み。人間、幻獣、亜種族が協力して暮らす社会がそこに存在していた。


「ここって【ドラグーン・ブレイド】の世界…!!」

「そうです。あなたはこの世界に転生したのです」

 と話しかけた尚樹の隣に褐色で長身の赤に紫のグラデーションが入った長い髪の女性が立っている。


「あなたはもしかして…ヴェルザンディ様!?」

「はい、私は女神・ヴェルザンディです」

「なぜ…女神さまがここに、なぜ、私はここに!?」

「あなたをこの世界に呼んだのはこの私、その経緯を説明しましょう」


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ドラグーン・ブレイド、正式名称【神勇伝記ドラグーン・ブレイド!―黄昏のファンタジア―】。

キャラクターメイク付きのキャラRPGとして開発され、キャラデザや名前の良さから手に取ったプレイヤーが多かったが、多くのプレイヤーはこう評価した。


『最新据え置きハードのソフトとは思えない、価格以下の低水準のクソゲー』と…


キャラクターRPGなのにキャラにCV(キャラボイス)が付いていない、CGが当たり前の時代にドット絵とイラスト立ち絵を使う手抜き内容。そして陳腐なストーリー内容に、当時の一般定価格の6000円を出して買ったプレイヤーは皆涙したと言われている。


ドラグーン・ブレイドの悪評が広まると店頭に在庫が蓄積し、ゲーム専門のディスカウントショップには100円単位の価値で投げ売りされるようになったゲームである。


時がたち、尚希が大人になる頃、動画サイトでクソゲーの配信プレイがブーム化すると人々の話題になるようになり、『キャラメイクジャンルで史上最低のクソRPGゲーム』としてカルト的人気を誇るゲームとなった。


一応このゲームは発売当時の時代には珍しくキャラクターを作ってパーティメンバーにできるという機能や、登場人物のNPCをパーティに入れられるという機能がついていた。


その自由度は褒められる点だが、ストーリー上で勝手に仲間に加わるキャラがいたりするのでそうなると結局好きなキャラが使えなくなるので不満点になった。色々と不満点があるがここに書ききれないので後々話すかもしれない…


またこのゲームが発売された1年後に携帯ゲーム機の発達やスマートフォンによるアプリゲームで上位互換となるゲームが多く作られたので、在庫として店に残るようになり、中古ショップでも100円で投げ売りされるようなゲームとなった。



「でも、僕はそれでもこのゲームをクリアするまでやったよ。とても楽しいゲームだったから!」

「…はい。あなたの気持ちは本物です。それを知らずに私は…」


ヴェルザンディは悲しい表情になり、涙を流していた。


「私はそうとも知らずに…あなたに逆恨みをして」

「どういうことですか…?」

「あなたをこの世界に連れて来たのは私なのです…っ」


衝撃の告白をされた。

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