三章 終わりのはじまり
怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い
何かに追いかけられている。何かは分からない。
怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い
追いかけられているのかすら、分からない。
ただひたすらに逃げる。本能がそう告げている。
熱い、熱い、熱い、熱い、熱い、熱い、熱い、熱い、熱い
業火の中を駆け巡る。終わりは見えない。
痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛いーーー。
目を開く。光がある。心が落ち着く。
声が聞こえる。音がある。涙が出る。
普通が、嬉しい。
このままずっと、ここにいたい。
そんな事を願っている。
これは本当に自分なのかすら分からない。
だけど、いい。
なんでもいい。
とにかく何故か落ち着く。
もう一回、目を瞑る。
このままでいれたら。
そう思いながら。
隣から声が聞こえる。
横を見る。友達がいる。
逆からも声が聞こえる。
振り向く。妹がいる。
なんで?という疑問もあるが、俺は眠りについた。
「オイ!大丈夫か!?」
と騒がしくも、馴染みのある声が聞こえた。目が覚めた。
辺りを見渡すと、普段の日常があった。
そこは、家の庭だった。
周りには、妹と友達がいた。
ひとまず、状況を整理する事にした。
どうやら、二人とも俺と同じ状況だったらしい。
となると、奇跡的に全員同じ夢を見たって考えるのが妥当か。
しかし、じゃあ何故俺はここに居る?何故こいつらと一緒にいる?
そんな疑問を抱いていると、家から人が出てきた。
お母さんだ。
いつまでそこにいるの、もう暗くなるから帰りなさい。と言った。
それでやっと夕方になっている事に気がついた。
俺たちは知らない間に、こんなに夢中になっていたのか。
ひとまず、また明日学校で話そうと、友達とは別れて解散にした。
ご飯を食べて、お風呂に入り、いつでも寝れる準備をして、妹と二人で作戦会議をした。
とりあえず、また同じ夢を見たら、出来るだけ詳しく覚える事。
そして、無事に明日を迎える事。
そう心に留めて、眠りへとついた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます