蝉の恋 Since I Don’t Have You

J.F.K

第1話 EXIT

彼女と出会ったのは、僕が、友人のやっている飲み屋で、ウェイターをやっている時だった。彼女は出口から入って来た、もちろん間違いではない。看板になる灯りを路地裏に置いてあるれっきとした入り口だ。彼女は疲れている様な感じだった。店の隅に友達と2人で座っていた。今はもう忘れたが確か、ブラッディマリーを注文して、ぐったりとしていた。話しを聞いてみると、旦那と上手くいかず、子育てにたいへんと、僕の友達と、喋っていた。僕は彼女とは話さず、洗い物やテーブルを掃除していた。僕も正直な事言うと、人生ってやつに疲れていた。セミプロでギターを弾いていた。曲も作ったりしていたが、実際レコーディングの方はしていなかった。何やらその女2人は、僕の方を見てコソコソ話しをしていた。 またいつもの事だ と、深いため息をついた。電車にも乗れば、女子高生のエサだった。うっぷんばらしみたいな感じでいつも蔑みのお言葉をいただいてた。そうすると、2人のうちの1人が、僕の居るカウンターの所まで来て座った。でもまだ落ち込んでる様子で、グッタリとしていた。話を聞いてみると、どうやら店が終わったあと、4人で屋台に行こうと誘われた。僕は友達に話しを聞いてみた。どうやら彼も店を閉めた後に予定がなかったので良かったらしい。そうして4人は、駅前にある屋台に行った。4人はそれぞれ注文して、待っている間、世間話をしていたた。4人はそれぞれ注文した物を食べた。言うのもなんだが、味はあまり美味しくなかった。今度また店に来ると言って2人は帰った。友達は、 よくオレの店、知ってるね と言ってた。そもそも、その店は、友達のお母さんがやっていたスナックだった。たいがい7割ぐらいは男がメインだった。友達のお母さんは、若くして病気にかかり死んでしまった。きっぷのいい男ぽい人だった。でも性格とは裏腹に凄く綺麗な人だった。そのお母さん目当てに来る客のなごりで店は成り立っていた。 僕はそろそろ定職に着かなきゃなって思っていた。職安に行ってみた。友達は、ここいいんじゃない?と言ってその会社の募集広告を見せた。汗をかこう! そう書かれてあった。土木作業か、大変そうだけど、給料が結構いいな、考えた後、その会社に面接にいこうと言う事になった。職安を出て、近くの喫茶店に入った。僕達はそれぞれ意見し合った後、その会社へ明日行こうと言う事になった。頼んでいたアイスコーヒーが来た。思わず ゲッ! とゆう感覚が全身を襲った。その

アイスコーヒーを持って来たウェイトレスは、子供の頃よくイジメていた女の子だった友達が あいつだぜ! と話しかけると、僕は返事もせず、ただアイスコーヒーを、ストローで、啜っていた。


第二話 Crash!Boom!Bang!                      彼女の車に乗った。彼女の車は白い軽自動車だった。だからかも知れないが、カーステレオの音が、めちゃくちゃ良くて、曲はたしか、ロクセットの スリープ イン マイ カー が流れていた。彼女は海沿いにある駐車場に車を止めた。2人は話す事も無く、ただ黙っていた。すると一台の車がその駐車場に入って来た。イヤな予感がした。するとその車は、僕らの車の回りを、グルグルと回り始めた。 ヨー姉ちゃん達、一緒に遊ばない?と男がデカイ声で叫んでいた。当時、僕は髪が長くて、よく女の子に間違えられるほど、見た目女の子だった。僕は コイツら車降りて来るんじゃねえか? と内心、心配だった。すると3分ぐらいで、駐車場を出て行った。よかったね と僕が彼女に言うと、彼女は、黙って頷いた。                                       第3話 It’s Only Love.                      今日、家に寄ってかない? と彼女は誘って来た。ことわる理由もなかった僕は うんいいよ って答えた。彼女の家は郊外にある安アパートだった。子供は彼女の友達が、あづかっていた。僕はお金がなかった。バイトのウェイターは、タバコと食事と飲み物だけだった。 千円貸してくんない? と僕が言うと彼女は、お金ナイの? と訪ねて来た。うん、バイト代はメシとタバコと飲み物だけだから、、、 そう言うと、咳払いを一回して財布を出した。 ハイ、これ と言って財布から一万円出した。 こんなにいいの? と僕は思わず、ためらった。 別に、親からもらえるし、そんなに困らないの と言い、僕の手を握った。 そして、その夜、2人は男女になった。                                       第4話 Love Junky                      2人は面接に行った。その会社の社長は、右足がなえていた。話しを聞くと、会社をまだ立ち上げたばかりで、人手が足りない状況だったらしく、当時22歳の2人は、喜ばれた。取り敢えず3日後の午前8時に会社へ来てとの事だった。 なんか良さそうだね うん、おれもイイと思うよ 2人は意気投合した。そして3日後の朝、僕は作業服に着替えて、歯磨きをし、髪を整えた。友達の車に乗り、会社へ向かった。  事務員の女の人が、 今、社長来るから待ってて と言い、会社の中へ

入って行った。待つ事5分くらいで、社長が足を患いながら来た。 今日は路上の清掃だ と言い車の鍵を渡してくれた。僕達は現場に向かった。 今日の仕事結構楽そうだね と彼は言った。現場に着いて作業を行った。昼休みの時間、友達が ジョンジェット いいよね と話しかけて来た。 たしかにイイけど、オレはヴァンヘイレンだね と僕は言ったライトハンド、、、ギターのテクニックのひとつだが、それを世に広めたのが、エディーヴァンヘイレンだ。クラプトンやBBキングといった、ブルースが好きだったにもかかわらずライトハンドとゆうテクニカルな手法も好きだったし、ボーカルのサミーヘイガーのしゃがれた声も好きだった。仕事も終わり、家に帰った。帰ったら父親がいて どうだった仕事の方は と訪ねられたので、 うん、なんとかやっていけそう と答えた。夕食を父親と食べてから、彼女に電話した。今日、行っていいかなぁ じゃあ子供あづけてくる と彼女は言った。郊外にある彼女の家は、結構な距離だったから僕は、父親に車を借りた。                                        第5話 Jealousy


最近、2人のSEXは、レベルアップしてきて、互いの心の内を体で表現出来る様な感じになってきた。おのずと彼女を思う気持ちも高まってきて、 恋してるんだ! と心のなかで叫びまくった。誰よりも彼女に相応しい男になろうと、お洒落や筋肉トレーニングと、一生懸命に努力した。彼女はガソリンスタンドで、働いていた。器量もよかったせいか、その店の看板娘だった。 あたし、このあいだ働いている時、アソコから、あなたの精子が流れて来たの 嫌だなって思ったわ そう言っていた。 僕はいつも1人だった。仕事仲間や友人がいても、人ゴミのなかでも孤独だった。でもイヤじゃなかった。むしろ人の事考えて生きるより、音楽に没頭する事が何よりも良かった。音楽が無かったら、おそらく生きてないだろう。それほど音楽が好きだった父親に車を借りて、彼女と海岸の駐車場まで行った。そして、彼女の前でギターを弾いた彼女は ロビンソン弾いて と僕に言ったが日本の音楽はあまり聞いてなかったので、知らないゴメンね と言って別の曲を弾いた。なぁんだ、つまんないの と彼女は不貞腐れてしまった。 彼女の家に行き、デリバリーの唐揚げ弁当をご馳走になり、またSEXをした   海岸で2人花火をした。ブルーのバケツに水を入れ、花火に火を付けた。 ピュー バン 、、、子供の頃に戻ったみたいだ  花火も残り少なくなった時、彼女は、線香花火に火を付けた。赤く光る線香花火はトロリ トロリと、砂の上に落ちてゆく、、、それを見つめながら 私みたい とボソッと呟いた。まだ当時18歳の彼女は、歳の割には老けてて、なんとなくおばさんぽい所もあった。 彼女の人生、何があったのか? なんて聞かれて鬱陶しい事も言えずただ、ただ、そんな彼女を見つめ、その夜の月灯りは、波の音と一緒に2人の事を見つめていたのかなぁ


第6話 O v e r


看板娘の彼女はよく客から誘われていた。一日の間、何人の男が彼女に姦淫の心を持って見つめ、話しかけて来ただろう。そんな中での出来事だ。僕は何気なく彼女の家でくつろいでいた。そんな時、ピンポーン とゆうチャイムの音がした。 誰かしら 彼女は玄関まで行くと、チェーンをかけ、ゆっくりとドアを開けた。男だった。彼女は血相を変えて僕に言った。二階へ上がってて そう言われ僕は二階へ上がった。どうやら家に入ったらしい。もめている様な様子だった。男はしつこく彼女にまとわりついていた。ものの10分もしないうちに男は家を出て行った。諦めたのであろう。男は帰ったらしい。聞くと男は仕事場の上司で、何回か、セクハラにあったらしい。 本当イヤになる。あのスタンド辞めようかな と下を向いてボソッと呟いた。僕もその男の気持ちはわかる。だってあまりにも彼女は魅力的で、美人だ。男として抱きたくなるのは当然だと思うしか無かった。彼女は冷蔵庫に行き、ビールを手に持ち、椅子に座り飲み始めた。彼女の家にはココ最近、毎日通っていた。朝になればそのまま仕事に行っていた。目が覚めた。僕はズボンを脱いだ状態で寝ていた様だ。そして彼女の寝顔を見て思った、可愛いい。普段大人ポイ彼女も寝てるとこんなに可愛い顔してんだなあ、とつい思った。ズーとみてるいると、彼女は、フコク生命とボソッと寝言を言った。 フコク生命?何だろう そう考えても何も分からなかったその時は、、、  朝が来た。午前7時、仕事に行かなきゃ そう思い身だしなみを整えた後、起きて来た彼女に聞いた。フコク生命てなに? そうすると、あくびをしながら ああ、ウチに来るお客さんで、生命保険の勧誘の人よ と言っていた。思わず心の中で歯ぎしりをした、まさか、その男の事思ってんじゃないのか? と、心の中でもう一人の僕が嫉妬していた。


第7話 7月7日


仕事の方も慣れてきたし、彼女は、誰よりも可愛いし、順風満帆じゃん そう、今の自分は、彼女のお陰で作られた物だなと、あらためて、そう思った。そう言えばそろそろ

彼女の誕生日だ。7月7日 蟹座だ。何買ったら喜ぶかなぁ? やっぱ花束でしょ そうだ花束にしよう。いや、まてよ、花束もいいけど、もっと心のこもった物があるじゃないか、そうだ今日、花束にしよう。そう思い、知人がやっている花屋へ行った。お任せしますから、女の子が喜ぶ様な花束にして下さい そう言って5千円渡した。その日、車の中に花束を入れて、彼女の家まで行った。 どうしたの?  いや君にと思ってさ、つい買っちゃった、   ありがとう   彼女は花束を胸に抱きかかえて、少し笑っていた。彼女は黒のロングスカートに黒のシャツを着て僕を待っていた。僕は父親に借りた車の中で、初めて、オリジナルを歌った。 三日月と砂浜と海と君を  今日は彼女の誕生日、夜空の星達は、僕と彼女を、今日の日を心から歓迎してくれてる。そして今夜、告白しなきゃいけない。   結婚しよう   彼女にそう言ってみた。すると彼女は 私まだ離婚したばかりだし、あの子、あなたの子になるのよ  構わないさ、だってこの出会いは、まさに運命的だよ、まるで織姫と彦星みたいだよ!  でも  沈黙がまるで永遠の命を与えたかの様に長く黙っていた。いつもとは違う。今夜を逃したらもうチャンスが来ない様な気がした。  今夜は寝ないで、ずっと車でブラブラしようよ  僕は彼女にそう言ったが彼女は、 明日、仕事だし、子供の事も心配だし、、、ナゼだろう、今夜を逃すと未来がもう来ないんじゃないかと思えた。それと同時に、何だか無性に怒りに満ち溢れ、別の人格の僕が現れて来た。気がついたらエンジンが、かかっていた。ライトを付けて、おもいっきりアクセルをふんだ。キ、キ、キ、キキーッ 物凄い音をたて車が走り出した。何もかもが邪魔に思えて、車をブッ飛ばした。 彼女は キャーッ! と言い始めた。そしてそのうち大声で泣き始めた。僕はもう僕じゃなくなっている。いつもちょくちょく出て来る嫉妬の神だ。彼女は泣き叫んでる。その彼女が急に男達にいつも姦淫されてる精神的売女だ、と思えてならなかった。僕に出会うまで何人の男と寝たのか?僕はただの中継ぎで、本命は、フコク生命の男じゃないのか?   殺してやる  絶対に許さない  僕は気付いたら彼女の首を、両手で力強く締めていた。死んでいた。もう息をしなくなっていた。                                                              Love is Blind ness 恋は盲目、誰もが恋をすると回りが見えなくなる物、愛じゃなかったのか?あの日々は、うそっぱちのでっち上げの日々か?彼女は金やSEXをしないだけの精神的売女だった。 くそっ! とんだ勘違いをしたもんだな。数時間後、僕は死んだ彼女を乗せたまま、警察所に行った。朝なのに、蝉が  ジージー鳴いていた。                         END             





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蝉の恋 Since I Don’t Have You J.F.K @docomo96

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