第7話 目撃証言
ホームズ、ワトソン、そしてエリザベス王女は厩舎から急いで王国の魔法学院へと向かった。学院は王城からそう遠くない場所に位置しており、その威厳ある建物が異世界の魔力を感じさせた。
「ここが魔法学院です。魔法に関する専門的な知識を持つ者たちが集まっています。」とエリザベス王女が説明した。
ホームズは学院の門を見上げ、考え込むように言った。「ここで魔法の痕跡を調査し、不審な人物についての情報を集めることができるでしょう。」
彼らが学院の中に入ると、すぐに魔法の専門家であるメルビンが出迎えた。メルビンは学院の最も優れた魔法使いの一人であり、その知識と経験は王国中で知られていた。
「ようこそ、ホームズ様、ワトソン様、王女殿下。」とメルビンは礼儀正しく挨拶した。「今回の事件については既に聞き及んでおります。どうぞこちらへ。」
メルビンに案内され、彼らは学院の研究室へと向かった。研究室には無数の魔法の書物や道具が整然と並べられており、その一つ一つが異世界の秘密を秘めていた。
「まず、厩舎で見つけた魔法の痕跡を調べましょう。」とホームズが言い、メルビンに痕跡を見せた。
メルビンはその痕跡を注意深く観察し、何度か呪文を唱えながら手元の道具で調査を進めた。「これは禁じられた古代の術ですね。非常に高等な魔法であり、普通の魔法使いには扱えません。」
「その使い手は誰だと考えますか?」とホームズが尋ねた。
「この魔法を使える者は限られています。」とメルビンは考え込んだ。「特定の魔法書に記された呪文である可能性が高いです。その書は学院の図書館に保管されているはずです。」
彼らは図書館へと向かい、古代の魔法書を調べ始めた。そこには禁じられた呪文や秘術が記されており、メルビンはその中から問題の呪文を見つけ出した。
「これです。」とメルビンは一冊の古びた書物を広げた。「この呪文は、時間と空間を操作する力を持っています。使用者は非常に強力な魔力を持っている必要があります。」
「その使用者が誰かを特定する手がかりは?」とホームズがさらに問いただした。
「この書物には、過去にこの呪文を使用した者の名前が記されています。」とメルビンはページをめくりながら答えた。「その中の一人が今回の犯人である可能性が高いです。」
突然、図書館の入り口から騒ぎが聞こえ、ホームズたちは緊急事態に直面する。そこには黒いローブをまとった人物が現れ、強力な呪文を唱えて書物を奪おうとする。ホームズは瞬時に反応し、ワトソンと共にその人物を追いかけるが、逃走中の人物は学院の外に逃げ込む。彼らは追跡を続けるが、黒いローブの人物はさらに強力な魔法を使い、彼らの前に巨大な障害物を作り出す。
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