第6話 王国へ
金髪の奴は俺に殴られた衝撃で10メートルくらい吹き飛ぶ。
「うっ……」
呻き声を上げた後、奴は気絶した。
「ふぅ…お返しに一発ぶん殴ってやったぞ……ていうか俺まだ一回もスキル使ってなくね?」
さっきの戦いで使えばよかった…あ、でもあんなチートなスキル達なんて使える訳ないか。
だって多分殺してしまうかもしれないし。
「あ、やべっ。やっちまった…。まさかこんな加減しても気絶するとは思わなかったぞ…。」
ホントにめっちゃ加減したんだけどな…。
「えっ?まじかよ!?あいつアインを一撃で倒しやがった!」
「なんだと?!我々四賢神の中で最強のアインが?!」
「え?あいつやばいじゃん…。あのアインを一撃って何者なの…?」
え?アインってあいつのこと?四賢神ってのがわからんけどとりあえず凄い奴だったのか!?
「え?俺そんな強い奴倒したの?」
「「「うん、倒した。」」」
(えー…)
「うぅん…。」
そんなことを話している内にアインってやつは起き上がった。
「お、おい大丈夫か?あとごめん、ちょっとやりすぎたわ。」
「あ、はい…なんとか…。」
すると俺に歩み寄り、なんと土下座をした。
「本当にごめんなさい!あなたの言う事も聞かずに怪しいという理由だけで手を上げてしまいました!」
「お、おい!そんな謝らなくても今はもう気にしてないから大丈夫だぞ!」
「いえ!これは私のせいです!お詫びに何かさせてください!何か奢るでもなんでもしますから!」
「えー…。」
謝罪するのはいいんだが別にそこまでして欲しいなんて思ってないんだよな…。
ちらっと三人を見る。
「そいつは相手に悪い事したらどうしてもしなきゃ気が済まねーんだ。だからさせてやってくれ。」
(そ、そうなのか…じゃあ)
「お前達、どこから来たんだ?」
「え?ログレス王国から来ました。」
「じゃあその国案内してくれ。こんなとこにずーっといるなんてイヤだし。」
そう言うとアインの顔が明るくなる。
「わかりました!それでは王国に戻りましょう!」
「じゃ、戻ってオーサマに報告だな。」
「ところで君って空って飛べる?」
「?ああ、多分できると思う。」
「じゃあ王国の近くまで飛んで行こ。このまま歩きなんてめんどくさいし。」
「おお、そうしよう。」
四人はスキルでふわっと空中に浮かぶ。
あ、そういえばスキルまだ一回も使ってないからあんまり使い方わからないんだよな…。
俺は心の中で唱えてみる。
(スキル『空中飛行』を使用!)
その瞬間体がふわっと浮き始めた。
おお!空飛ぶってこんな感覚なんだな!なんとか上手くいってよかった!
「さ、ついてきて。」
「おう!」
俺は四人と一緒に空中散歩を始める。
「そういえば、アインは聞いたけど他の三人の名前まだ聞いてなかったな。」
四人と飛びながら尋ねる。
「そうか、まだ言ってなかったな。おれはベルフ・ゴーン。ベルフでいいぜ。」
「私はアフロディ・プレラ。」
「おー、じゃアフロって呼ぶわ。」
「アフロって言うな!誰がモジャモジャだ!」
「あ、ついでに僕はクロト・アトロポス。クロトでいいよ。」
なるほど、ベルフとアフロとクロトか。覚えておこう。
(あ、そういえば四賢神って何なのか聞いてなかったな。)
「そういえば、お前達の言っていた四賢神ってなんだ?」
「四賢神っていうのは僕たち四人のことだよ。簡単にいえば王国の最高戦力みたいな感じかな。」
(えー…俺その中で最強のやつ倒したのかよ…。)
「あと結局森の木倒したやつ誰だったんだろうな〜。」
やばい…気づかれてない…のか?とりあえずバレなくてよかった〜。
「さ、さあ誰だろうな〜。」
とりあえずバレてないことだし何も知らないふりをしておこう…。
そう話をしている内に王国が見えてきた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます