第4話 なんかきたよ(白目)
スキル『空中飛行』で森の方に向かう四人がいた
「わざわざ俺たちまで呼んで森調査しにいけとか、めっちゃだるくね〜?てか他のやつに行かせれば良くね?ま、オーサマの命令だからしゃーないけどさ〜。」
そんな愚痴をこぼす黒髪ショートウルフの若い男は『四賢神』の一人である『怠惰の賢神』ベルフ・ゴーン。
こんな性格なので『怠惰の賢神』と言われているが、一応これでも『四賢神』であるため実力は折り紙付きである。
「貴様!王の命令に対してだるいとはなんだ!この無礼者が!」
「いやいや確かに森ヤベーことになってっけど、んなヤバい魔物が現れたっつー証拠もねーのにわざわざ俺たち呼ぶ必要ねーだろぉ〜。」
「王はもしもの時を想定して我々を派遣させたのだろう!そんな考える力も無いのか貴様は!」
「んだと〜?この長耳野郎!」
ベルフと絶賛口論中の水色ロングヘアのエルフ、『運命の賢神』であるアフロディ・プレラは国宝級の美貌と高い実力を持つエリートで王国では高い人気を誇る。
「まあまあ、そんな争わなくてもいいじゃないですか…。」
「「うるせぇ(さい)!」」
「はひぃ…。」
仲裁しようとしたは金髪ロングヘアの女性『万象の賢神』アイン・ヨハネス。
一見弱々しく見えるが実は四人の中では最強である。だがこういう状況の対応はあまり得意ではないタイプ。
「はぁ、まーた言い合ってる…どんだけ喧嘩好きなの?この二人。」
「うわーん!うるさいって言われましたー!」
「もーめちゃくちゃだよ…。」
黒髪ショートボブの少女『法則の賢神』クロト・アトロポスも加わろうとしたが、多分止めても無駄だと判断して諦めた。
クロトがふと見下ろすと
「あ、あそこに誰かいるよ?」
ん?なんか飛びながらこっちに向かってきてるぞ?人数は…四人か。
う…なんか嫌な予感しかしないんだが…。
そして俺の前に飛んでいた四人が着地する。
ショートウルフの男が尋ねる。
「なあ、これお前がやったの?」
「さ、さあね〜なんのことだかさっぱりわからないな〜…多分違う人じゃないか〜?」
「飛んでる時に見たけど君以外にこの近くにいる人なんていなかったよ?」
(ギクゥ!!)
「やはり貴様がやったのか?」
「いや〜、俺なわけないじゃないですか〜(汗)。あは、あはは…。」
やべぇぇぇ!!絶対バレたー、終わったー!!
はい、俺の異世界ライフしゅーりょー。
マジであの神呪ってやる。
次の瞬間、金髪の女性が魔法陣を展開し、そこから俺に向けて槍を放つ。
「うおぁ!?」
俺はギリギリのところで回避する。
距離を空けるためにバックステップで後ろに下がる。
「怪しいですね。この周辺にはあなた以外の者はいませんでしたし、こんな大規模な破壊を行える動物や魔物はこの森には存在しません。」
「いやいや怪しいからって攻撃する必要ないだろ!」
「問答無用!」
それを言った同時、金髪は爆発的なスピードで突っ込んでくる!
「『時空神クロノス』」
直後、あいつのスピードが先ほどとは桁違いに速くなる!
スキルで時間を加速させたのか!?
「速すぎだろ!」
俺はバックステップで距離を取る。
「距離を空けようが無駄です。」
「ちぃっ!!」
速すぎて攻撃する隙がない!これは極限まで集中しないとポックリ天国行きだ。
「うわ〜、なんか急に始まったな〜。」
「奴は俺たちの中でも実力はトップクラスだがたまにああやって後先考えずに突っ込んでしまうところがある。おそらく俺たちが止めても無駄だ。」
「ちょっとは止めようとしなよ…。」
他の三人は俺と金髪の戦いを眺めていた。
おいおい、見てないで助けろよ…。
「戦いでよそ見はいけませんよ!」
「やべぇ!」
くそ、避けられない!もう懐に潜り込んでる!
「はぁぁぁ!!」
次の瞬間、俺の腹に円球のプラズマのようなものを打ち込んだ。
「ぐぅぅぅ!?」
これで俺は気絶した…………かと思った。
(あれ?なんだ?全然痛くも痒くもないぞ?)
なんでだ?本当に痛みもない。
ふと自分の持っているスキルを思い出した。
そうか、俺のスキルの中に『全攻撃無効』があったな。
だから何もなかったのか。
そして俺はやつに言ってやる。
「……どうした?これが全力か?」
「!?」
うおぉぉぉ!!いつか言ってみたかんたんだよこのセリフ!
まさかここで言うことができるとは思わなかったぞ!
「まさか…これが効いていない!?」
ほら、奴さんが驚いてるぜ。
「次はこっちの番だ。」
さあ、こっからショータイムの始まりだ。
(今ので効いてない!?とにかくここで一旦距離をとる!)
そう焦ったあいつはは逃げるように後ろに下がる。
その瞬間、俺は先ほどの奴とは何千倍もの速さで距離をつめる!
(速い!間に合わない!)
奴が気づいた時にはもう俺は懐に潜り込んでいる。
「先に手出したのお前だぞ?だからよ…お返しに腹殴っとくわぁぁぁ!!!」
「かはぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??」
木蹴った時の強さじゃ流石に死んでしまうかもしれないので、俺はその時よりめちゃくちゃ手加減して腹に拳をぶち込んだ。
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