『神々の始祖』になりました
さしし
第1話 人生は最大のクソゲー
俺は坂木康二、しがないフリーターだ。
23歳のフリーター男の俺は何の才能も無く、特技もない。
何も目標も無く、ぼーっと生きている。
こう見えて貯金もちゃんとしてるから生活はあまり困っていない方だぞ?
まあ、そんな話はおいといて今日はバイトも何も無い日なので散歩で書店に来ている。
今は立ち読みしながらラノベ読んでる。
そんで、今ちょうど読んでるとこはヒロイン達が主人公を取り合いしてる場面…
「はぁ…俺もラノベ主人公みたくモテてみてーわ…なんでこんなに可愛い子ホイホイ寄ってくるんだよ。俺も巨乳で可愛い女の子に懐かれてーな。ま、そんな簡単にモテたら人生苦労しないか。現実世界なんて突然美少女が転校してきたり、モテ過ぎて取り合いになる展開もないしな。あと大体のラノベ主人公って異様に顔面偏差値たけーな。しかも女装できるレベルとか何者だよ…。結局顔いいやつがモテるのかよ…。」
ん?なんで皆俺を見てるんだ?
あ、もしかしてめっちゃ心の声漏れてた?うわ、多分そうだわ。
俺は気まずくなり、そそくさと書店を後にした。
うわー、やっちまったわー。俺って心の声漏れちゃうタイプなのか?
俺の馬鹿野郎…なんで心の声漏れちゃうんだよ…それで周りの人から冷たい目で見られたし…。
今度から気をつけよう…。
「明日もバイト無くて休みなんだが何して過ごそうかねー。」
そう、フリーターの俺の休日は何もすることがない。今日のスケジュールをざっくり纏めるとこんな感じ
9時〜10時 起床
10時〜12時 テレビ見たりスマホでya〇ooニュース見たり
12時 デリバリーでピザとかマ〇クとか頼む
12時〜13時 届いたものを食う
13時〜15時 テレビ見る
15時〜18時 外にでてうろうろ散歩したりコンビニとか行く
18時〜18時半 風呂入る(湯船に浸かりながらようつべ見たり)
18時半〜19時半 散歩の時に買ってきた弁当とかおにぎりとかを食う
19時半〜22時 テレビみたりスマホでようつべみたり
22時 寝る
まあこんな感じだ
だからバイト以外にやることはない。趣味がある訳でもないし特にやってみたいっていうことも何一つもない。
ただ、学生の頃の趣味…といったらあれだがはいわゆる自分だけのオリキャラっていうものを作ってた記憶がある。
しかも性別は女…今では立派な黒歴史。あの時の俺はまじでやばかった。
たとえハンマーで頭を殴られながら思い出せと言われても思い出したくない…。
…これ以上この話はやめておこう。俺が死んでしまう。
思い出したくもない黒歴史を振り返りながら家に足を運ぶ。
しばらく夜道を歩いているとあったかーい我が家が見えてきた。まあ、本当はあったかくも寒くもないが。
エレベーターもなく、別に高級マンションのような設備も、六本木にあるようなタワマンのように90度首を上げてしまうような大きさもないただのそこら辺にあるような古びた団地。
俺自身はそんな高級な家とか部屋買える金もないし、あったとしても別に住みたいっていう訳でもないからいいんだけどな。
「そんな大金が手に入ったとしても高級車とかそんな贅沢なもん欲しいって思ったことはないしな。俺ならあんまり金は使わない方だし、高校の頃からずっと貯めてたバイト代で大体何とかなるわ。」
My銀行口座には高校からバイト始めて卒業する頃は130万円以上は貯まってたし、使うとしても月一回くらいで1000円も使わない安いとこに(サ〇〇〇ヤとか)食べに行ったりするだけ、寧ろ両親に「使わなくて大丈夫なの?」とか「何でお前はこれ欲しいあれ欲しいとか思わないんだ?」って心配されるほどだった。
そんな貯金に今も救われている。
「大学で勉強したいことも無かったし、卒業して働こうかと思ってたんだが中々上手くいかなかったんだよな…。まず目見て人と話すのあんまり得意じゃないから就職の面接とかボロボロで不採用だらけだったわ。」
目を合わせて話すのは友達と家族、バイト仲間にはできるが面接官とかと話す時は一瞬で頭が真っ白になって話すこともできなかった。
そんな高卒を誰も雇ってくれるわけもなく結末は最初から決まっていた。
そこで人生はほぼ学歴で決まるってことを思い知らされたよ。
現実ってアニメとか漫画みたいに上手くいくわけじゃないんだな…。
「本屋で見たようなラノベみたいにサクサクハーレム築けるわけもなく、この世界はハーレムできるような都合のいいシステムもない最大のクソゲーだよ。しかもイケメンとか羨ましいわ、ラノベ主人公。」
ま、どんだけ言っても無駄…か。不平不満いってもどうにもならないのがこの世界だしな。何言ってんだろ俺。
「そんなこと忘れてさっさと風呂入って寝る準備でもしますか。」
風呂を済ませ、寝る準備もできた。布団に潜り、ついこうこぼしてしまった。
「神様、ファンタジーな世界とかなら何でもいいから転生させてくれ。」
そう100万回願っても無駄なことを呟き、眠りについた。
その時、まだ俺は知らなかった。
何よりも、記憶をリセットしたいほど思い出したくないものがやってくることを。
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