双子の姉に支配されて
生獣(ナマ・ケモノ)
※ 第1話 妹である事の『罪』
「脱ぎなさい、影」
「はい、麗華様」
私、花柳院 影は双子の姉……花柳院 麗華の命令に従い服を脱いでいく。
花柳院家は最初に生まれた者が絶対。
私と麗華は双子であるにも関わらず、少し後に生まれたというだけで私は麗華の従者……いや、奴隷として育てられた。
「ふふ、美しいわ……影」
「んん……っ」
麗華はサディストで、ナルシストだった。
麗華は自分と同じ顔、同じ身体である私を責め立て辱める事で興奮を得ている変態だった。
「ふふ、無様ね? 影」
「あぅ、あぁ……っ」
私は麗華の手で縛られた。
両手は後ろ手で縛られ、足はしゃがんで開かれた状態で閉じる事が出来ない。
所謂“蹲踞”の姿勢を強制されている。
その上開口器を嵌められ、空腹の犬のように涎の垂れ流しを強制される。
「ふふ……」
そして麗華はそんな私を足で弄ぶのが好きだった。
見た目は質素ながらも最高級の素材と職人の手で作られた高価な椅子に腰掛けながら、伸ばした足の甲で私の股間を擦り上げる。
「あぅ……っ」
「無様ね。影」
「んん……っ」
今度は脇腹を擽られた。
その度、私は身体を跳ねさせる。
「無様で、惨めで、無価値な存在」
「んむ……っ!」
次は指で胸の先端を押し潰される。
「あぁ……こんな貴女でも、私の分身と思うと愛おしく思うわ」
「んぶ……っ!」
今度は爪先を口に突っ込まれた。
口内をグチュグチュと犯され、更に涎が溢れ出る。
「影、貴女は私の何?」
「んむ……」
麗華は私を弄りながら質問する。
元より喋れる状態では無いけれど……“双子”と答える事は許されない。
何故なら“双子”は対等だから。
私と麗華は対等では無いから。
屈辱、恥辱、苦痛。
それらを受けても、私は蹲踞の姿勢を崩さない。崩せない。
以前崩れた際には、親戚が集まる場で前後の穴に花を刺されて生きた花瓶として晒された。
そんな物なのだ、私と麗華の関係は。
その程度の物なのだ、私の価値など。
「あう…えぅっ」
「クスクス……こんな物付けられてちゃ答えられないわよね。
それでもお前は言い続けなければならない。
何故なら私にそう命令されたから。
犬のように涎を垂らしてまで、言い続けなければならない」
「む……」
「答えなさい。貴女は私の何?」
「おえい…おえい、えう……」
「ああ、なんて無様で可愛いのかしら。でも、駄目」
そう言って麗華は、足を押し出した。
それに押されて私はなす術もなく後ろに倒れる。
「まぁ、姿勢を崩すなんて悪い子ね。お仕置きしなくちゃ」
「⁉︎ あうっ」
麗華が押したからだろう、という抗議は口に嵌められた開口器に阻まれて言葉にならない。
「私は影で遊びたい気分だったの。だからお仕置きが出来る口実を与えてあげたのに律儀に我慢しちゃって。
私の意図を汲んでさっさと失敗しなさいな」
「……っ!」
余りに身勝手な言い分に顔が歪む。
しかし麗華はそんな私を見て愉しむだけだ。
「さぁ、お仕置きの時間よ」
※※※※※
「うっ、ぐぁ……っ」
花柳院家のお仕置き部屋。
そこで私は頑丈なポールの間に立たされ、枷と鎖で磔にされて鞭で打たれていた。
「クスクス、痛い? 苦しい?」
「い、いえ……これが私の役目ですので……」
「そ。つまらない答え」
麗華は心底つまらなそうに言う。
そして、その手で私の胸の突起に爪を立てた。
「⁉︎ あがあぁあっ!」
「クスクス……良い声で鳴くわねぇ?」
ギリギリと突起を潰されるけど、拘束された状態では満足に身体を捩る事すら出来ない。
そんな私を麗華は笑いながら責め続けた。
「あぎぃ! いぎぃいいっ!」
私は痛みと苦しみで泣き叫んだ。
そんな私を見ながら麗華は更に笑みを深くしてもう片方の突起にも手を伸ばす。
「あぐぅううぅっ⁉︎」
「痛いでしょう? 苦しいでしょう?」
「は、はい……っ」
私の答えに麗華は満足そうに微笑む。
そして私の顔を覗き込むように見つめてきた。
その瞳には嗜虐的な色が見え隠れしている。
「ふふ……」
「っ、はぁ、はぁ……っ」
唐突に指を離される。それでも尚ジンジンと痛み、嫌な汗が流れた。
「影」
「はい……」
麗華は私を呼ぶと、私の左の胸元に刻まれたタトゥーを指でなぞる。
これは『後から生まれた』者に否応なく刻まれる奴隷の刻印。
麗華には無くて、私には有る。
血筋も容姿も能力も同じなのに……この刻印が私と麗華の立場の違いを決定的な物にしている。
「少し……ほんの少し先に生まれていれば私と貴女の立場は逆だった。
悔しいでしょうね。恨めしいでしょうね。口惜しいでしょうね」
「っ」
私はその麗華の言葉に思わず歯噛みする。
その通りだから……
この刻印が無ければ、私が麗華の奴隷にならずに済んだのに。
「でもどれだけ思っても無駄。貴女は一生私の奴隷なのだから」
「っ!」
そう言って笑う麗華に、私は怒りと憎しみが湧き上がるのを感じた。
しかしそれはすぐに恐怖へと変わる事になる。
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