このVTuber…どう考えてもワイの元カノなんだが…!?

ALC

第1話間違って…いなかった…?

人生は選択の連続とよく聞く話ではあるのだが…

確実に僕も選択を間違え続けてきた人生と言えよう。

誰の人生もそうと言える可能性を含んでいて…。

ただそれをいつまでもくよくよと後悔するか、きっぱりと過去のことだと振り返ることもなく生きるか。

それだけの違いのようにも思える。

僕らは神様でもなければ未来人でもない。

正しい選択を事前に知ることは出来ないのだ。

どの様な行動により未来が決まるのか…

僕らはどうしてもそれを知ることは出来ない。

故に選択の連続を間違え続けてしまうのだろう。


などという御託はここら辺でやめておくとして…

僕が何に悩み何に後悔をしているかと言えば…



元カノと自然消滅をして別れてしまったことだった。



端的に言ってこれに尽きる。

この出来事により僕の人生は今まで全て間違え続けてきた…

と錯覚してしまうほどだったのだ。


そんな僕だったが…

とあるVTuberの配信により僕の選択は間違っていなかったのでは…

などと今までの思いの全てを覆すことになるのであった。




元カノの影を追いかけるように僕はVTuberの配信を観るようになっていたのだ。

話が見えないと言う方はあらすじを参照して…

というのはあまりにも丁寧ではないのでしっかりと明記しておく。

元カノは大手VTuber事務所のオーディションに合格しデビューが決まったのだ。

そのためかは定かではないが…

僕と彼女はそこから疎遠になっていったのだ。

連絡を取ることもなくなり自然消滅へと至ったのだった。


そして今…

僕と元カノの運命は再び交差しようとしていた。



「後悔していることってありますか?」



いつものように行われている質問コーナーが始まり。

彼女は少しだけ悩んだ末に口を開く。


「VTuberになるってなった時に別れた元カレが居るんだよね。

オーディションに合格してデビューが決まって…

そこから自然と疎遠になってさ…

自然消滅として別れてしまったんだよね。

というわけで私の人生で後悔があるとしたら…

彼と別れてしまったことぐらいだと思う。

応援してくれているリスナーさんには悪いんだけどね…」


彼女の言葉を耳にして…

僕が経験してきた内容と類似しているように思えた。

いいや、翌々考えたら何処にでもある話だろう。

ありふれた話にも思えるが…

しかしこの話をしている時の彼女がどうにも元カノとリンクして仕方がなかったのだ。

話し方や声色や困った時の笑い方などなど。

何処をとっても僕の記憶に残る過去の元カノとリンクして…


僕は思わずスマホを取ると元カノへとチャットを送っていたのであった。



この日を境に…

いつしか僕の人生の選択に間違いは無かったと思える日が来るのだろう。

それはすぐにではないのかもしれない。

いつの日か僕と彼女は再び運命を交差させるはずだ…

それがいつになるのか…

僕らにはまだ分からない。

しかしながら…

僕と彼女は牛歩ではあるが…

また再び共に過ごす時間を送るのだろう。


それがいつになるかは…

まだ誰にもわからない。


これは一度別れた僕と彼女が再び交わる恋物語なのであった。

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