クラスメイトが理不尽に振られる場面を目撃した俺、慰めたらすごく懐かれた。〜〜なお、振った彼は後悔しているがもう遅い。彼女は俺の横で幸せにするので〜〜
零
第1話
俺、
「ねぇ!あなたもひどいと思うよね!えっと…杉、杉、…
「…杉田です」
「ご、ごめんなさい、杉田君」
俺にそう話しかけてくるのは
「…んだよ、気に入らねえことでもあんのかよ」
そう面倒くさそうに話したのは
「…気に入らないことがあるのか、ですって?大アリに決まってるじゃない!!なんで、なんで私がいるのに他の人とラ……浮気なんてするのよ!!」
「お前に魅力がないからだろ?そのくせ、ヤらせてもくれねぇし」
「なっ!?」
「はっ!?」
その発言には俺もかなり驚いた。さも当然だというように、あまつさえ新妻さんの方に問題があるかのように言い放った言葉は余りにも身勝手だった。
「もういいか?俺は帰るわ」
開いた口が塞がらない俺たちを横目に葛原は帰っていった。
「…どうして、こんなことになっちゃったんだろう?私が、よくなかったのかな?」
そう呟く新妻さんの瞳には何も映っていなかった。まだ涙を流してくれたりした方が慰めやすかったのに、と何もない虚空をじっと見る新妻さんの姿を見て思い知った。
俺がどうしてこんな気分の悪くなるような状況にいるのか、それはほんの数分前に遡る。
〜〜〜〜〜
俺は今、学校の図書館にいる。静かな場所で短時間に集中して勉強するのが一番だと思っている俺は、中学のときから宿題を図書館でやるようにしている。家族仲が悪くて家に居づらい、なんて理由は特にない。
そんなこんなで今日もいつも通りに宿題をしていたタイミングで教科書を忘れていたことに気がついた。それ自体は月に1〜2回はあることだけど、今日はまだ教室に残ってる人影があった。もう帰りの
「ねぇ、これはどういうことなの!!」
「…はぁ、どうって?」
「だから!!……って、ダレ!?」
教室に入るとすぐに彼女、新妻さんに見つかった。それから、半ば強制的に彼らの会話に参加させられた。…俺は教科書を取りに来ただけなのに。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます