姉の為に世界を救おうと思う
ダビマン
出会い編
~プロローグ~
12月31日、11時55分。
孤児施設<ひまわり>の一室で、時計の針が十二時で揃うのを、お気に入りの白い兎柄のパジャマ姿で中腰になり。じっと待っている少年がいた。
彼の名前は、元気15歳。身長:149・8センチ。中学三年生の男の子。趣味はアニメやゲーム。そしてラノベや漫画だ。
元気はバトル漫画等で描かれる、日常的な話しが大好きで、面白おかしくスローライフを送るキャラクター達に、毎日思いをよせながら幼少期を過ごした。
そんな元気が、中学1年生になったある日、彼の心をくすぐる、一冊の本と出会ってしまう。
それは、吸血鬼の眷族になってしまった少年が、色んな怪異現象に遭遇しながらも、面白可笑しく解決していく物語だ。
元気はその本を夢中で読み、馬鹿にされながらも頼られる物語の主人公に、恋い焦がれ、憧れた。
そんなある日の事。元気のクラスでブルマが盗まれる事件が起きた。
この令和の時代に、何故ブルマがあるのか?そんな事はどうでも良い。ブルマを盗んだ犯人は、元気だった。
元気はただ、漫画や小説に出て来る。面白く、楽しい主人公になりたかった。お前馬鹿だな~。と、皆が笑ってくれると思った。
だが結果は、小説や漫画との現実の差を思い知っただけだった。
その後。『ブルマニスト』という称号を与えられた元気は、友達と学校での居場所を失った。
クラスメイトに、気持ち悪い。変態。と言われ続けた元気は、笑う事が出来ず。中学1年生の後半で不登校となり。学校でも施設内でも問題児となった。
それから、年月は流れ。中学3年生となった元気は、来年で義務教育が終わる。進学出来なければ、就職して孤児施設を出なくてはいけないのだが、不登校児になった元気は、高校試験に受かる自身は全く無い。
未来の事を考えると、元気は溜息が出そうになるが、年末位はしゃいで良いだろう。と思い『ニューイヤージャンプ』をする事にした。
元来、楽しい事が大好だった元気は、一人でも良いから、何か楽しい事がしたかったのだ。
そして。時計の針がてっぺんで重なった瞬間。元気はピースをしながら、ぴょんと飛んだのだった。…………異世界へと。
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