第22話 2回目のステータス割り振り
鈴がオレたちのクラスに加わってから、オレたちは、休み時間のたびにダンジョンをどう攻略するかについて話し合った。
まぁ、主にオレと鈴が話し合って、ゆあちゃんは「うんうん。へ~」と相槌を打つ担当ではあったのだが。
そうこうしていると、あっという間に放課後だ。
「じゃ、今日は帰るから。明日からもよろしく」
「おう」
「また明日ね!」
オレたちは校門前で鈴に手を振る。リムジンが出発し離れていった。
「じゃ、オレたちはいつも通り、訓練だな」
「うん!これからは2人っきりだね!」
「ん?まぁそうだね?」
ゆあちゃんが謎の発言をしてくる。それに機嫌がいいのが気になった。
「えへへ♪(小声)クラスでは3人になっちゃったけど、訓練は2人っきりだから大丈夫、大丈夫……」
なんで機嫌いいん?とは聞かない、なんだかわからんが、地雷な気がしたからだ。
そんなことよりも、鈴のクラス加入特典で得た5ポイントと好感度特典の6ポイント、合計11ポイントをどのステータスに割り振るか。オレはそのことで頭がいっぱいだった。
♢
ゆあちゃんと並んで自宅に帰ってから一旦解散する。
オレはひと足先に訓練場に行って、エニモでモニターを開き、《クラス替え》スキルを眺めていた。
―――――――――――――――――――――――――――
現在割り振れるボーナスポイントは、11ポイントです。
―――――――――――――――――――――――――――
と表示されている。
うーむ……どれを強化すべきか。悩ましいところだ。ここ一年で上がった現在のオレのステータスはこんな感じだ。
―――――――――――――――――
氏名:咲守陸人(さきもりりくと)
年齢:14歳
性別:男
役職:学級委員
所有スキル:クラス替え
攻撃力:34 ⇒ 55(C- ⇒ B+)
防御力:22 ⇒ 35(D ⇒ C)
持久力:69 ⇒ 88(B+ ⇒ A)
素早さ:35 ⇒ 42(C ⇒ C+)
見切り:9 ⇒ 23(E ⇒ D)
魔力:0(E- ⇒ E-)
精神力:70 ⇒ 73 (A- ⇒ A-)※割り振り不可
統率力:162 ※割り振り不可
総合評価:C ⇒ B-
―――――――――――――――――
この一年は、アメリカ人の元特殊部隊員、通称〈大佐〉の指導の下、地獄の訓練を積んできたので、結構、ステータスが上昇した。こうやってみると、防御力が低いように見えるが、そもそも、モンスターの攻撃は一撃もらえば即死級のものも多いので、防御力を少し上げるような付け焼き刃は意味をなさないだろう。
だとすると、やはり攻撃力か、素早さあたりを上げるのが良さそうだろうか?
ポイント割り振りの参考のために、最近戦ったときのことを思い出す。新橋駅ダンジョンでのことだ。ゆあちゃんは初陣だったから、まぁ置いといて、オレはちゃんと動けていたと思う。あれくらいの敵じゃあ相手にもならない。いまいち、どのステータスが足りないか分からなかった。
次に鈴の戦いのことを思い出す。
「鈴のやつ、すごい動きだったな……」
あいつのアクロバティックな動きを見て、正直、感動した。オレもあんな風に動けたら戦いで便利そうだ。
鈴のステータスを見ると、特に素早さが高かったし、オレも素早さを更に上げれば、あいつみたいに動けるようになる気がする。
いや、やっぱ攻撃力も重要だよな。もっと強いやつにダメージが通らないとマズいし……
ここまで考えて、こんな感じで、ステータスポイントを割り振ることに決めた。
――――――――――――――――
氏名:咲守陸人(さきもりりくと)
年齢:14歳
性別:男
役職:学級委員
所有スキル:クラス替え
攻撃力:55 ⇒ 58(B+ ⇒ B+)
防御力:35(C)
持久力:88(A)
素早さ:42 ⇒ 50(C+ ⇒ B)
見切り:23(D)
魔力:0(E-)
精神力:73 (A-)※割り振り不可
統率力:162 ※割り振り不可
総合評価:B-
――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――
ボーナスポイントの割り振りはこちらでよろしいですか?
Yes or No
―――――――――――――――――――――――――――
「YESっと!」
モニターをタップするとオレの身体がほんのりと発光した。身体に力がみなぎってくる、ような気がする。
オレがジャンプしながら身体の具体を確かめていると、「おつかれ〜」と言いながら、ゆあちゃんが訓練場に入ってきた。すでに戦闘服に着替えているようで、トレーニングウェア姿だった。
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