なぜ誰も教えてくれないのか？

第1話 エッチなことばっかり考えてるんでしょ！

　ずいぶんと歳をとったので解るようになったけど、

　恥ずかしい人生を送ってきました。

　子供の頃にTVで見たオットセイの繁殖行動とか、軽蔑してたのに。

　ティッシュを使って賢者になっている時以外は精巣からの下克上で脳がエロに征服される。理性で抑えろって？無理矢理襲ったりしないようにするだけで精一杯。

　あれ？なんか違うな。

　精通する前はなんかエッチーこと考えちゃうから女の子とまともに話せなくって頬を赤らめてモジモジしてたような気がする。

　ああ、そうかティッシュを使うようになったら割と普通に話せてた。何言ってんのコイツ、馬鹿なんじゃないの？みたいな反応だったから、とりとめもないことを勝手にしゃべってただけなんだろうとも思うけど。

　いくらか年月が過ぎ、

　そんなでもセックスの相手をしてくれる女の子もいたけど、すぐに振られた。

　そうすると、自分はダメだと思うようになったりして、またモジモジするようになったり、でも、どうしたら受け入れてもらえるのかと試行錯誤してみたり。

　でも、やっぱりすぐに振られる。

　相手を好きだと思う気持ちは本当でも、ひとりよがりだったのだろうと思う。

　誰でもいいなんて思ったりしてない、出来れば好きだと思える女の子としたいじゃないの。でも、したいのほうが圧倒してくる。好きだからしたいのか、させてくれるから好きなのか？いくらかは悩んだよ。鶏と卵としか結論できなかったけど。

　割り切って風俗とか行ければ、こんな恥ずかしい人生にはならなかったかもしれない。

　子供の頃になんか感銘をうけるようなものでも読んでしまったのかもしれない。

　僕の本心は言っている。｢ただ一人に愛をささげたかった。｣と(笑)

　ある時、職場の女性が｢あっ！ホントに分かる。○○さんが考えてることが。｣と、言った。

｢えっ？｣と、僕。

｢そうでしょ｣と、別の女性。

　何言ってんだろうこの人達？

　しゃべってもいない僕の考えとか解るはずないんだから、なんか比喩とかなんだろうと流しておいた。

　しばらくして、くだんの女性が僕に話しかけてくる。

｢エッチなことばっかり考えてるんでしょ！｣

　そうですね。精巣の下克上を抑えきれずにしょっちゅう脳がエロに染まってます。だから目線とか態度とか出ちゃってるのかもしれないと。それはまぁちょいと失礼しましたとは思ったけど、なんか悔しいので答えはこんなになってしまった。

｢ばっかりじゃないですよ！｣ほぼ自白してしまった。開き直りとも言う。