第6話

『Hide6』


おはよう


ね?

無駄じゃないよ?

留守電、カセットテープ録音中、ずっと聴いてるよ、愛しい男の声を

黙って聴いてる、頬杖ついて、

曇天は良いもの、貴方が側にいる氣がして、貴方がくれた”初めて”だし

涙じゃないよ?

雨粒の雫が窓を伝う、夏が眠ったね


ね?

まだ朝じゃないよ?

少し寝たら?

って、貴方の横顔、白紙から逸らせたいよ、って、じゃあ、逸らせてよって、貴方が笑って、私が触れていいかなって笑って、

貴方の頬を薬指の腹で撫でて、貴方が私の首筋を薬指の腹を這わせて、

貴方の下唇を舌で転がしたら、貴方が私の上唇を舌で転がし、私の胸の紅を上唇で、

私は貴方の亀ちゃんを下唇で、って?

亀ちゃん、溝にお迎え?

魔王引退宣言後、ゴム無くなっちゃったね、愛しい男を中にお出迎え

夢の夢の仲だし?夢のなかだし?

最近、でき、ちゃた、か、も?

仲良しこよし?

じゃない?



ね?

まだ朝じゃないよ?

少し寝たら?

夜中に目が冴えちゃう?

コーヒーと煙の出し過ぎかな?

何も考えないで 何も感じないで

って言いつつ、貴方、また白紙とにらめっこ、

私は私で、

答えの出ぬ問題かかえて 私は 生きてゆく

って、答えて、考えない時間が大切じゃない?って、応えて、貴方笑って、

私の胸の紅を舌唇で、私は貴方の亀ちゃんを舌唇で、

亀ちゃん元氣で、溝にお迎え

私の貴方独占宣言後、ゴム無くなっちゃったし、愛しい男を中にお出迎え

夢の夢の仲だし、夢のなかだし


無駄じゃないよ?

最近、ね、でき、ちゃった、んだ、

うん、でも、いい?


貴方は私の側に ずっと居てくれる

ただ 黙ったままで ずっと居てくれる


時々、外で、デート、外出、いつもありがと、嬉しい、な、ふふ、地面に足が付かない、ね、ふふ


チュ


愛してる


ちゅっ


無駄じゃないよ

無駄じゃないよ…

貴方の理想の嫁に近付きたいね…

じゃない?


またね


おやすみ

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