猫と老人
@Laimmu
猫と老人
猫と老人
私が六十歳の時、妻に先立たれた。
私の家には私と猫が一匹住んでいる。名前はクランという。ある日捨てられていた所を妻が拾って来た。
以来ここに住み着いている。クランは大人しく温厚で
人に良く懐く。
クランがここへ来てから生活は明るくなった、妻は精一杯お世話をしていた。
クランという名前を付けて、愛情を与えていた。
この街には古い言い伝えがある、私が小さい頃聞いた話で、本当に最近思い出した百年も前の話だ。
無限長寿の怪がいると言う言い伝えだ。
昔この街に、長生きを心から望む人物がいたそうだ。
長く生きる事を心から望んだその人物はある日、妻の心臓にナイフを一本突き立てて姿を消した。
街では本当に騒ぎになった。 その年 この街の三割の人間が寿命が早いうちにこの世を去った。
人々は姿を消した人物を怪しむが、亡くなった人に外傷が全く無かったことから、関係が無いと言う事になった。中には、呪いの類か何かになって寿命欲しさに人間を狙っているという仮説を立てた者もいるらしい。
クランはここへ来て三十八年生き続けている。
私ももう長く無いだろう。
この物語を読んでくれている君に言っておく
私の最後の手記を読んでくれてありがとう
二千百二十七年 四月四日 笹野慎也
猫と老人 @Laimmu
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