37話

「ゆう!優!開けろ!」


優斗は耳を疑う。なぜなら、その声の人物とは長い間話していなかったからだ。


「え…。まさか…!」


優斗は急いでベッドから起き上がり、玄関に向かいドアを開ける。優斗はその人物を見て目を見開く。


「悠、二。悠二なのか?!」


優斗が大きな声で悠二の名前を言うと悠二は慌てて優斗の口を塞ぐ。


「おまっ、ちょっと静かにしろっ!情報がダダ漏れだぞ!」


優斗は首を傾けながら言う。


「は?情報ダダ漏れってどういうことだよ?それに急に来てなんなんだよ。2年ぶりの会話がこれって…。」


優斗が少し呆れた顔をしながら言うと、悠二は少し間を置き言う。



「…あのさ、お前ってもしかして桜川カスナ?」



優斗は目を見開く。


「…え。え。…えっ?!何で悠二が知ってるの?!どういうこと?」


優斗が理解できていない様子を見た悠二はハぁと溜め息をつきながら頭を掻きむしる。そして優斗の耳元まで顔を寄せて言う。



「…あのさ、優。まず、配信止めろ。」

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