29話 (過去)

3日後…


地震の被害が大きく、優斗達はまだ避難所での生活をしている。悠二は普通に生活する分には十分と判断されていた。優斗達は今、昼ごはんを食べている。


「悠二。怪我、大丈夫か?」


「おう、このままいけば少し傷跡が残るだけだって。」


「あら、よかったわね!」


「よかったね!」


「そっか。よかったよかった。」


優斗達がご飯を食べながら話していると男が優斗達の方に来る。そして、優斗達の側に行くと男は口を開く。


「姫口 優斗君で間違いないですか?」


その男は少し眉毛を下げている。


「は、はい。僕ですけど…どうかされましたか?」


「2つ話があります。まずは姫口 陽君と姫口 綾香さんはあなたの兄弟で間違いないですか?」


優斗たちは顔を少し緊張した顔になる。


「…はい。僕の兄弟です。」


「二人の生存を確認しました。」


優斗たちは顔を合わせる。そして安堵した顔をする。


「よかった…。本当によかった…っ!二人とも無事だった!ところで今どこにいますか?」


「陽君は幼稚園、綾香ちゃんは保育園に避難しています。」


「分かりました。ありがとうございます!」


「良かったわね!」


「良かったな!」


「良かったね!」


優斗達が喜んでいたが2つ目の話があると言っていたのを思い出し静かになる。そして優斗は男に問いかける。


「ところで、2つ目の話って何ですか?」


男は少し間を置いて言う。


「2つ目の話は…姫口 実さんと姫口 由美子さんはあなたの両親ですか?」


「はい。そうです。」


「二人の…。二人の死亡が確認されました。お悔やみ申し上げます。」


「……え。」

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