28話 (過去)
優斗達は小学校に到着する。
「お前ら、点呼を各クラスでやってくれ。」
数分後…
「全員いるみたいだな。じゃあここが避難所だ。皆、これから4人一組になってもらう!誰かが迎えに来たら、その人は先生に言ってから抜けるように!じゃあ、班を作れ!今、誰か迎えに来てる人がいるなら先生に言ってから抜けろよ。」
優斗たちは班を作る。
「よし。できたな。じゃあ、各自で準備をしろ。場所はさっき行ったところに作るように。わからないところがあったら先生に聞きなさい。」
数時間後…
優斗達は準備をし終わっていた。優斗は美弥と沙羅とご飯の配給に並んでいる。
「ねえ、他の子達は家族が迎えに来てるけど。…私達の家族来てないわよね。」
「ま、まさか。きっと別の場所にいるよ。」
「そう、だよな。」
更に3時間後…
「っ!美弥、沙羅、来て!」
「どうしたの優?」
「ゆう…悠二が目を覚ましたっ…!」
「えっえっ、本当に?は、早く行きましょ!ほら、沙羅も早く!」
「…うん!」
優斗達は救護室に向かう。
「「「悠二!」」」
優斗たちが中に入ると悠二が体を起こす
「よう!沙羅、優斗、美弥。」
「よう、じゃねえよ!バカやろう!」
「痛った!俺、怪我人だぞ?」
「今回は百、悠二のせいだわ。」
「だろ?」
「優斗と美弥ひどい!」
「…まあ。死んでなくて良かったよ。本当に。」
「そうよ!生きた心地がしなかったのよ?!」
「悪い悪い。ところで沙羅さっきから静かだな。」
「…。」
「沙羅?どうし…」
沙羅の頬に涙が伝う
「…沙羅」
悠二は少し困った顔をする。そして沙羅に向けて微笑む。
「沙羅、抱きしめたいからこっちに来て。」
「…っ。」
沙羅は首をコクンとし悠二に近づく。そしてそんな沙羅を悠二は抱きしめる。
「沙羅、心配かけてごめんな。きっとすっごく心配させたよな。本当にごめん。」
「…ない。…さない。許さない!何で、何で私を庇ったの?!心配させたよな。って当たり前でしょ?私の大切な人なんだから!…もっと、もっと自分の命を大事にしてよ!」
沙羅は泣きながら悠二に言う。そして、少し間を置いて悠二は口を開く。
「…沙羅。俺は今日のような事がまた起きたら、きっと同じ事をすると思う。でも、何で俺がそんなことをすると思う?それは
…俺も大切だから。沙羅のことが。
沙羅が俺の事を大切に思っているように、俺も沙羅が大切だ。俺はこれからも沙羅が危険になったら駆けつけるつもりだ。絶対に。沙羅がいない人生は考えられない。だから沙羅、これからは沙羅自身が危険にならないようにしてくれ。そしたら俺も安心ができる。」
「…悠二のばか、ばかっ!大馬鹿者!うっ、うっ。悠二が、悠二が生きてて…良かったっ!」
「もう、沙羅は泣き虫だな〜。」
「こうなったのは悠二のせいでしょ?!」
「痛った!傷口つつくなって。全く…。」
そこには沙羅と悠二の空間ができていた。その時、美弥と優斗は救護室の外にいた。
「悠二が生きててよかったな。」
「ね。本当に。」
「…家族大丈夫かな〜。」
「きっと大丈夫よ!きっと迎えが来るわ!」
「そうだな!」
「もうそろそろ、就寝時間だから寝に行来ましょう。」
「沙羅はどうする?」
「…今はそっとしておきましょう。」
「それもそうだな。」
優斗と美弥は寝に帰る。沙羅と悠二は夜が更けるまで話していた。
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