一等星の光り方

なつ

一等星の光り方

まだ光みぬ、一等星

いつぞいつぞと、覗き込む

まだ見ぬ星が、機を伺う


一等星が、光り出す

心の中の、散乱さんらん

グッと堪えて、喜んだ


最初は愛が、あろうとも

次第に相手と、相容れず

愛から哀へと、変わるのみ


私の中の、理想では

怒哀を感じる、ことはなく

気楽に生きて、いきたかった


しかし現実、厳しくも

理想と反対、気楽なく

哀あり怒ありの、毎日で


母なる大地は、地震のようで

父なる空は、空襲のようで

勢い強く、受け流せない


母なる大地は、カンカン晴れ

父なる空は、暴風雨

いつも不作で、食うものなし


父なる空の、濁った色は

私の体を、冷たく蝕み

血の気が引くほど、青黒い


母なる大地の、焼ける色は

私の体を、暖かく蝕み

額や身体が、赤い火傷


どれだけ痣が、痛くとも

火の粉撒かれて、燃えようが

命の輝き、星のよう


諦めようとは、したけれど

命の働き、続くから

地獄げんせに残り、耐え忍ぶ


父なる空に、穴が空き

水蒸気のように、消えてった

残るは私と、母なる大地


しかしその穴、すぐうまり

代わりの空は、知らないおじさん

空が一層、濁って見えた


知らない人が、来る毎日

嫌でも我慢、してないと

頭にげんこつ、降り注ぐ


変わった空に、適応できず

ベランダの隅で、泣くばかり

私の心は、輝き失う


いつしか知識も、ついてきて

母なる大地に、別れをつげる

「さようなら、幸せだ辛かったよ」


母なる大地は、呆然として

じっと私を、見つめてた

すると大地に、大雨警報


音にならない、言葉を発し

留まるようにと、力を込めて

私の足に、根を張っている


圧迫する空、照る大地

幼い頃には、大きくて

乗り越えられず、ぶちあたる


けれども今の、私なら

大地のみなら、屁でもない

乗り越えるのは、容易である


私の時間、私の自由

私の青春、私の期待

返してくれとは、言わないが


空と大地には、短かろうと

私にとっては、長かった

私の苦節、数十年


幸せを、願ったけれど

空と大地では、不幸せ

産みを選べれば、輝けた


























































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一等星の光り方 なつ @natsuodayo

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