あの昔話がバトル漫画だったら…

ねんごろ

桃太郎 1話

───時はむかーしむかしに遡る

   これは数多くの昔話があった時代───



〜ある国の上層部〜


「おい!どうするんだ!これは由々しき事態だぞ!」

「その通りです!このままでは我が国の財政は破綻しかねません!」

「しかし、もう手は尽くしたじゃあないか」

「まだだ…あれが残っているではないか!」

「あ、あれはまだ試作段階で…」


「落ち着いてください!我々にはまだ希望が残されているではありませんか!この壁画をお忘れですか!?」


「だが、ただの壁画だぞ…」

「言い伝えなんて信じれるわけないだろう…」


全員が何か悪態をつきながら、壁に映された一つの壁画の映像を見る。

そこにはあの忌々しき鬼たちに立ち向かっていく、一人の少年の姿と三体の使い魔のような生物が描かれていた。


全員が頭では分かっているのだ。

我々が頼ることができるのはこの古びた壁画しかないと。

そして、一人の男が少年の近くに刻まれている文字を口にした。


「ももたろう…」

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