第25話 依頼を終えて…。

 サファイアドレイクとの戦闘を終えてギルドに帰還した僕たちはギルドマスターにカツア湖の調査結果を報告した。

 ついでにたくさんのブルードレイクやサファイアドレイクを召喚した謎の老人のこと、戦闘の途中で突如現れた謎の少女についても報告した。


「んーなるほどじゃん…。ナーナちゃんの方でも他のギルドと協力しながら調査してみるじゃん。」


 そしてギルドマスターは無事に帰ってきた僕たちの方を見て褒め称えてくれた。


「それにしてもやるじゃん!あのブルードレイクとサファイアドレイクを倒すなんて。さすが、グライトちゃんが見込んだだけのことはあるじゃん。エミリスちゃんもサファイアドレイク数匹を相手によく頑張ったじゃん。」


 ギルドマスターから褒められてエミリスは頬を赤らめた。


「ありがとうございます…。」


 僕も一応、返事はした。まぁ、褒められて悪い気はしないな…。


「僕もお役に立ててうれしいです。」

「いやあ、他のギルドで何十組も行方不明の冒険者が出てもう調査を諦めようとしてたところじゃん。そんな時にワークちゃんが来てくれたからよかったじゃん!」


 ギルドマスターの言葉に僕は固まった。


 そんな危険なものをギルドマスターは依頼してきたの…?

 何、この世界の人たちはあとから実はこうでしたって伝えるのが一般的な常識なの…?

 いや、もしかしたらグライトさんとギルドマスターがそういう性格なのかもしれない…。

 ……うん、そう思おう。これ以上考えたら頭パンクする……。


「というわけで今回の依頼の報酬じゃん。ララナちゃん、例のもの頼むじゃん!」

「分かりました。」


 そう言われるとララナさんが大きな袋を持って部屋へと入ってきた。

 ララナさんが動く度に袋の中からジャラジャラと音が聞こえてくる。


 これ、もしかして…。


 ララナさんは大きな袋を机の上に置くと、


「こちらが今回の依頼報酬です。」


 そう言って袋の口を開けた。中には大量の金貨が入っていた。ざっと量からして10万ゴルドある。


 僕とエミリスは目の前にある大量の金貨を見て固まってしまった。こんな大金、紅銀の狼王ブラッティシルバーの時以来だ。いや、それ以上の量がある。


「本当は調査だけでよかったじゃん。でもワークちゃんたちがブルードレイクとサファイアドレイクを討伐してくれたからその分上乗せしてあるじゃん。」


 いや、ブルードレイクとサファイアドレイクの素材は価値あるって言ってたけどこんなにあるの?


「あと、ワークちゃんとエミリスちゃんの冒険者ランクをBまで上げておくじゃん。」


 ……へ?


「「えぇぇぇぇ!!」」


 ギルドマスターの突然の言葉に僕たちは驚きの声を上げた。


「いや、ギルドマス…」

「ナーナちゃんじゃん。」

「あっ…あのナーナさん、Bランクって早くないですか?」


 確か登録時の冒険者ランクはFだったはず…。いくらなんでも飛び級しすぎだ。


「だって妥当じゃん。ワークちゃんたち、1人でブルードレイクとサファイアドレイクを倒してるじゃん。本来は複数人での討伐が望ましいじゃん。そんなことされたらランクをあげるしかないじゃん。」


 だからなんでその依頼を10歳と12歳の子どもに任せるかな…?

 死んだらどうすんのさ…。


「そういうことだから、ワークちゃん、エミリスちゃん、これからも依頼することがあると思うからその時はよろしく頼むじゃん!」


 そう言ってギルドマスターは満面の笑みを僕たちに向けてきた。


 この感じ…僕たちに拒否権ないんだろうなあ…。


「はい!」


 エミリスは2つ返事で承諾した。

 僕は少し考えたがどうすることもできないことは分かっていたのでしぶしぶ承諾した。




「おい、あんたら。」


 ギルドマスターの部屋を出た僕たちは戦士ウォーリアーの男に呼び止められた。


「助けてくれてありがとう。あんたらがいなかったら俺はあの場所で死んでいたかもしれない…。」

「いえ、当然のことをしたまでです。ところでお仲間のかたは…。」


 エミリスの質問に男は首を横にふった。


「そうですか…。」


 エミリスはその姿を見て言葉をつまらせた。

 男の眼から涙が零れる。


「俺は…戦士ウォーリアー失格だ…。仲間を守れないで、しかもこうやってのうのうと生きてるんだぜ。」


 男は涙を拭い、僕たちの方を見る。


「俺はあいつらの分までしっかり生きる。だからもしあんたらが良ければ俺を仲間にしてくれ!この通りだ!」


 そう言って男は頭を下げた。

 僕たちは少し考えて男に手を差しのべた。


「こちらこそよろしくお願いします。」


 男は僕の手を握りしめた。


「ありがとう!これからもよろしく頼む!俺はナーバ=スーグニだ。ナーバと呼んでくれ。」

「はい!ナーバさん。」


 こうして戦士ウォーリアーのナーバさんを仲間にして僕の冒険者登録と初依頼は幕を閉じたのだった。



 次からは何事もなければいいけど、この先どう転がっていくんだろ…。

 はぁ…。まぁ細かいことは気にせず、次に進んでいきますか!




 ーーーーーーーーーーーー

 ナーバ=スーグニ 30歳

 職業ジョブ:戦士ウォリアー レベル90


 仲間たちとカツア湖の調査をしていたところブルードレイクに襲われた。

 仲間も喰われ、重傷を負っていたところをワークたちに助けられる。

 さらにはブルードレイクたちを倒したことによって恩を感じ、仲間の分まで生きようとワークの仲間になった。


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