人生文学

シノ谷

人生文学

人生とは物語である。


人の数だけ、いや、人の数以上に人生という名の物語は現在進行形で紡がれているのだ。


「十人十色」では足りない。「十人万色」の物語を私やあなたは連載中である。


学生時代には恋愛や青春を、社会に出てからはサラリーマンの人生を執筆している人がいるかもしれない。


はたまた、生涯スポーツモノを連載し続ける鉄人やグルメ小説を書く先生なんかもいたりして、、、


そうやって人はそれぞれのジャンルでそれぞれの物語を歩んでいるが、誰しもが納得して執筆しているとは限らない。


世の中には日々が充実している人とそうでない人が存在しているがその違いとは何か。


それは「日々の厚み」であると私は考える。


では「日々の厚み」とは何か、本に例えて話そう。


先に、人生が充実している人間とはどういう日々を送るのか。毎日が充実している人、楽しいことがいっぱいの人はやりたいこと、興味のあることが溢れて人生のページが増え、本も分厚くなっていく。


一方、人生を退屈だと感じている人、何もしたいことがない人の日々はどうなるか。


やりたいこと、興味のあることがないからページが少なく、本も薄い。自分で何かを始めようとする気持ちが中々起こらないからページが増えることもないのである。


ではページが少ない人はもう本が厚くなることはないのか。


いいえ、全くそんなことは無いと断言する。


ページが少ないのならばこれから増やせばいいのである。物語に山場があるように、私やあなたの人生にも必ず山場がある。


人生が充実している人もそうでない人も、人生の山場は平等に訪れるものであり、今充実していないと感じているならば、あなたの山場はこれからだ!と声を大にして言いたい。


現在の退屈な日々は、無駄な時間ではなく山場に向けての準備期間である。物語風に言うならば「修行パート」、この先の展開に向けた「伏線」といったところだろうか。


加えて言うならば、年齢も関係ない。人生の山場を20代に迎える人もいれば60代で迎える人もいるだろう。


隣の人間の人生がどんなに素晴らしいものに見えたとしてもあなたには関係ない。


恋愛小説とミステリー小説のどちらが面白いか比べるほど不毛なものだ。


あなたにはあなただけの物語があり、「あなた」というジャンルの文学がこれから描かれていくのである。


そして、あとがきに「楽しかった!」と書ける人生を送ることができたのならば、それは非の打ち所がない超大作なのである。


焦る必要はない。人にはそれぞれ活躍する場面、開花するタイミングが自ずとやってくる。


その時までゆっくりと自分と対話し、「その時」に備えよう。



最後に、あなたの人生文学がハッピーエンドを迎えることを心からお祈りする。



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