【現代百合プラスα小説】虹色の絆 ―美月、陽菜、琴音、三つの魂が紡ぐ物語―

親愛なる陽菜（わたし）へ

　こんにちは、陽菜。

　これは30歳になった私からのメッセージよ。今、この手紙を書きながら、あなたが経験する全ての喜びや苦しみ、そして不安を思い出しているわ。でも、同時に大きな希望も感じているの。なぜなら、私はあなたが成長していく姿を知っているから。

　まず、高校時代のあなたに伝えたいことがあるわ。

　あなたは今、運動に打ち込んでいるわね。その情熱と努力を誇りに思うわ。でも、時々「自分には運動能力しかない」って思ってしまうこともあるでしょう。そんな風に考えないで。あなたの価値は、運動能力だけじゃないの。あなたの明るさ、優しさ、そして人を元気にする力。それらも全て、かけがえのないあなたの魅力なのよ。

　美月と琴音との出会いが、あなたの人生を大きく変えることになるわ。彼女たちはあなたの本当の姿を受け入れてくれる。最初は戸惑うかもしれないけど、この友情は生涯続くものになるの。彼女たちを信じて。そして、自分の弱さも含めて、全てを受け入れてもらおうとして。

　そして大学時代のあなたへ。

　スポーツ推薦で入学して、周りとの違いに戸惑うこともあるわよね。「自分だけ浮いてる」って感じることもあるでしょう。でも、それは決して悪いことじゃない。あなたの個性が、周りに良い影響を与えているのよ。

　そして、オリンピックを目指すか、一般企業に就職するか悩む時期が来るわ。その選択は簡単じゃない。でも、聞いて。どちらを選んでも、あなたの人生は素晴らしいものになる。大切なのは、自分の心に正直になること。

　そして、予期せぬ事故に遭遇するわ。その時、あなたは絶望的な気持ちになるでしょう。でも、諦めないで。その経験が、あなたを更に強く、そして優しい人間に変えていくの。

　今の私からあなたに伝えたいことがあるわ。

　あなたは強い。どんな困難も乗り越えてきた。その強さを誇りに思って。

　あなたは多才だ。運動能力だけじゃない。人を励ます力、前向きな姿勢、そして深い思いやり。それら全てがあなたの才能なのよ。

　あなたは愛されている。美月と琴音だけでなく、これから出会う多くの人々があなたを愛してくれるわ。そして最も大切なのは、あなた自身を愛すること。

　30歳の私は今、障がい者スポーツの分野で革命を起こしているの。新しいトレーニング方法やリハビリテーション技術を開発して、多くの人に希望を与えている。そして、美月と琴音との絆は、より深く、より強くなっている。私たちは互いを支え合い、愛し合いながら、それぞれの道を歩んでいるの。

　あなたの人生には、まだ多くの挑戦が待っているわ。時には挫折し、傷つくこともあるでしょう。でも、決して希望を失わないで。どんな困難も、必ず乗り越えられる。そして、その過程であなたはより強く、より優しい人間になっていくの。

　事故の影響は、完全には消えないかもしれない。でも、あなたはその経験を力に変えていく。同じような境遇にある人々を支援する活動も始めるわ。あなたの経験が、誰かの希望になるの。

　最後に、もう一度言わせて。あなたは大丈夫。今は不安かもしれないけど、素晴らしい未来が待っている。自分の感情を大切にして。周りの人を信じて。そして、少しずつでいいから、自分の可能性を信じていって。

　美月と琴音との関係を大切にして。彼女たちはあなたの人生の宝物よ。そして、新しい出会いも大切にして。これから出会う人々も、あなたの人生を豊かにしてくれるわ。

　あなたの未来は輝かしい。たとえ今は暗闇の中にいるように感じても、必ず光は差し込んでくる。その光に向かって、一歩ずつ前に進んでいって。

　私は、あなたの全ての姿を誇りに思っているわ。過去も、現在も、そしてこれからの未来も。

　自分を信じて。あなたならできる。

愛を込めて、

30歳の陽菜より

追伸：

　美月と琴音に、感謝の気持ちを伝えることを忘れないでね。彼女たちの存在が、私たちの人生をどれほど豊かにしてくれたか、言葉では表現しきれないほどだから。そして、彼女たちとの特別な関係を恐れないで。それは私たちにとって、かけがえのない宝物になるのだから。