つれづれならないままに

@kyouninn

長い一日 終わり

-邪獣すらも眠る、深き真の夜の中、誰にも知られることのない中、響き合うのは戦いの音-


「・・・ちゃん」


 か細く呟かれた言葉を語尾しか聞き取れずに、目が覚めると目尻から頬にかけて渇き切った涙の跡が残る。


 現実に引き戻され、起き上がったと同時に転がるように回避行動を行う。

 それと同時に先ほどまで横たわっていた場所に落雷が起き、地面が黒焦げになる。


「ありゃー、しぶといね」


 言い放たれた言葉を無視して袋から丸薬を取り出し、そのまま飲み込む。


 しぶといと思いたいのはこちらの方だと毒づきながら、腰に手を当てて女の前に先ほどとは比べ物にならない速度で一気に踏み込み、短剣をその頭に突き立てる。


 戦いの終わりだと思われる状況に少年は肩の力を抜く。もう一度込めることになると露程も思いもせずに。

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