第5話 三夏との帰り道② 〜ストーカー撃退編〜
ストーカーは容赦なく俺に殴ってきた。
「どうしたそんなもんかクソガキィー!」
俺は次々に繰り出されるパンチを腕でガードしながら、三夏を守りながら少しずつ後退りしていた。
(このまま殴られてたら状況が悪いな、、)
と思いながらも防戦一方であった。
玄関の前に立ち尽くしている三夏に「110番してくれ!!」と力一杯叫んだのだが、ストーカーは変わらず俺にパンチを繰り出してくる。
俺の言葉は聞こえないほどキレているらしい。
ラッシュから1分が経っただろうか、相手は息切れしていてこちらを睨んでくる。
1分間ラッシュをフルパワーで続けたのだ、流石に疲労が溜まっている頃だろうと踏んだ俺は、反撃を企てる。
そして持てる力を最大限に使いストーカーの男の子に向かい全力で拳を振り上げたのだった。
「チーン」そんな音が自然と頭の中で再生された。
「あ、おォが、、」
ドサッとその男は悶えたあと、意識を失ったのか地面に倒れ伏した。
俺も自分のモノが縮み上がるのを感じそっと合掌しておいた。
数分後に三夏の呼んだ警察が到着し、何があったのか事情聴取をされた。
俺がここであったことを説明すると、正当防衛により俺はお咎めなしだった。
それどころか、女子高生をストーカーから救った英雄なんて言われてしまい、俺の頬が緩みっぱなしだったのはいうまでもないだろう。
警察の事情聴取の後、男は警察官二人に担ぎ込まれ、パトカーに乗せられていたとこを見届けると、三夏は安心したのか涙を流して
「ごめんね優希くん、今日出会ったばかりの私の面倒に付き合わせただけじゃなく、ストーカーを撃退してくれて、私さっき怖くて立ってる事で精一杯だったの。
だけど優希くんが大声で110番しろ!って言ってくれたおかげで私は動くことができたの。
それと優希くんさっきまでストーカーに殴られていたから腕がすごく痛いはずなのに、それでも今我慢して私とお話ししてくれてる。
それが本当に申し訳ないことだと思ってるの」
と大粒の涙を流しながらいうもんだから俺は無意識に三夏の頭を撫でていた。
なぜ撫でたのはわからない、だけどきっと自分も昔それで慰められたことがあるのだろうとそう感じたからだ。
三夏は俺に撫でられている間おとなしかった。
嫌そうな顔をされなかっただけマシと考えよう。
俺がひとしきり撫で終わった後、三夏は俺に
『後日改めてお礼するから私のうちに来てね』
そういうと、彼女は月にも劣らないほどの光り輝く様な笑顔でこう言ったのだった。
『今日は色々ありがとう!また明日学校でね!』
その言葉をいうとそそくさと三夏は家の中に入っていった。
一人残った俺はというと、、
「疲れたし痛いなぁ、、」
そう一言呟くと自分の家に帰るために駅に向かって足を進めた。
ーーー今日の夜俺は自分の部屋で今日1日の出来事を思い返していた。
自分から見ても側から見ても波乱万丈すぎる1日でもありながら、にぎやかでもあった日のことを思い返しながらLIMEを開き、ポケットに入れておいた三夏の連絡先を追加し、挨拶替わりのスタンプを送ったのだった。
一方三夏はというと、スマホから一件の通知がきたことを察知した三夏だったが、それを送ってきた人物が優希であるとわかるとすぐさま「大丈夫だった?」と送っていた。
「俺は大丈夫だ、一応メッセージを送れるか試したんだ、しっかり送られてきたのなら大丈夫だ。じゃあおやすみ、また明日学校でな」
と返信が来た時、なぜか私の心臓は高鳴っていたのだ。それはもう痛いくらいに。
彼のことを思うと、なぜか息苦しくなってしまう。実際にはそのような感じがすると言うだけなのだが。彼ともっと話していたい。
いつの間にか私はそんな欲に取り憑かれていた。
『また明日ね!』
そう送ると私はなるべく彼のことを考えまいと眠りについたのだった。
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5話目でストーカー編は終了でございます。まだまだ表現が下手くそなところが多いと思うので、指摘コメントもドシドシ送ってください。
次話からは新たな困りごとと女の子出現編です。よければブックマーク、
星で応援よろしくお願いします。
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