第2話 優希学校やめて転校する

俺は病院を一週間で退院した。看護婦さんから治るの早いねと驚かれていたが、まぁ気にしない。

それよりも俺は今学校に行ける気がしない、正確には行きたくないのだ。


あの出来事が少しトラウマになってしまったから。ここのところ退院して一週間経って夏休みに入った俺だったが、今のところ夏休み明けに学校に行ける気がしない。


そんなことを悩んでいるとLIME(メッセージや通話が無料でできる某アプリ)で母親から一件の通知が届いていた。

=優希へ=

夏休みに入って毎日悩んでるようだけど、その悩みが学校のものなら母さんから少し

相談があるのだけれど、優希、あなた転校するってのはどうかしら?

 

俺は転校については考えていなかった、今の学校を離れていっそのこと別の学校でやっていこうと、なぜその考えに至らなかったのだろうと少し自分を憐れんだ。


「母さんその話詳しく」とメッセージを送るとすぐに返信が返ってきた。


『優希が夏休みに入ってずっと考えているのはもしかして学校に何か嫌なことがあるからじゃないかってお父さんと話し合ってみたの、そこで二人で決めたのよ、転校も視野に入れた方がいいかもって、幸い優希は頭がいいから編入試験もいけるんじゃないかと思って、あなたが行きたい学校を自分で選んでちょうだい。私はあなたがどこの学校に行こうともあなたの将来を応援するわ』


そう返ってきた時俺はすぐに学校を調べてみた、どこの学校も綺麗でいい学び舎であることは間違えないんだろうけど、そう思いもう少し調べてみた、そこで俺は見つけた、難関高 白絹園学園高等学校 通称 <絹高に>


そこで急いで母さんに連絡した、俺絹高に行きたい。そう連絡すると母さんは二つ返事で編入試験の手続きをしてくれた。


そこから一週間後夏休み中に試験を受けた、さすが難関高というべきか、試験は難しかったが解けないほどではなかった。そして面接、書類審査をかいくぐり、


試験から3日後、俺の元に一通の書類が届いた。恐る恐る中身を確認してみると絹高の編入試験の結果だった、そこに書いてあったのは(試験合格)の文字だった。


俺は母さんと一緒に大はしゃぎで、俺は不覚にも涙を流していた。


もうあんな学校に行かなくてもいいのだと、いじめを受けなくてもいいのだと思うと心が弾む。休み明けが楽しみで仕方がない。


あれから夏休みが明け晴れて絹高の制服に袖を通し、ウキウキな気分で学校の門をくぐり校舎へと入っていく俺なのであった。


まさかあんな刺激的な出会いがあるとはその時は疑いもしなかった。

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