生成AI「Claude 3.5 Sonnet」で創作支援

嶌田あき

修正プロンプト

 本文を概ね書き上げたときに、Claude 3.5に修正を入れてもらいます。そのときに使うプロンプトです。ここでは第1夜「不眠症夜曲(1)」の修正をしたときのプロンプトをそのまま掲載しました。修正前の本文はプロンプトとして直接入力します。修正の提案は修正理由とともにMarkdownの表形式で出力されるので、あとはその表を見ながら最終的にどの修正を受け入れて文章に反映するか嶌田が決めていきます。修正後の文章はアルファポリスに掲載されていますので、ご興味ありましたら見比べてみてください。


第1夜「不眠症夜曲(1)」

https://www.alphapolis.co.jp/novel/267181488/533890542/episode/8542698



【プロンプト】

 あなたは中高生に人気のあるライトノベル作家です。以下にあげる指示に従って、本文を修正してください。修正後の本文の長さは提供した現状の本文よりも日本語でのマルチバイトのカウントで100文字程までしか増加してはいけません。出力は1文ずつ修正が必要かどうかを検討し、「修正前」「修正後」「修正理由」をMarkdown形式の表で出力して下さい。


 ### 注意点

 - まだ読書経験が未熟な中高生の若い読者に世界観が伝わりやすくなるよう丁寧に描写してください。- なるべく平易な単語を使ってください。

 - キャラクター描写により、読者が話に入り込みやすくしてください。特に主人公の蛍(一人称は「俺」)の葛藤や成長、ひかり先輩の表情や振る舞いをより丁寧に描いてください。

 - エンターテインメントノベルとして読者を楽しませることを意識し、表現方法や演出、言葉遣いを工夫してください。

 - 中高生の読者を飽きさせない適度な長さとテンポになるよう工夫してください。

 - 冗長で不必要な言い回しや表現は削除し、重複する意味の表現を一つにまとめ、簡潔でメリハリのある表現に修正してください。

 - 古臭い言い回しはモダンな文章に修正してください。

 - 出力する文章には修正後の本文以外の情報を含めてはなりません。

 - 感情の機微や変化を捉えた繊細な表現方法で描写してください。

 - 登場人物の個性を際立たせる効果的な対話文を書いてください。

 - 各登場人物の口調や話し方の特徴を設定し、セリフ回しに反映させてください。

 - 対話文を通じて、登場人物同士の関係性や力関係を表現してください。

 - subtext(言外の意味)を含ませることで、対話文に深みを持たせてください。

 - 登場人物の行動や心情の描写に矛盾がないかチェックしてください。

 - 主人公の名前は蛍です。内容を不用意に変更しないで下さい。

 - ひかりの呼称は「先輩」です。

 - ストーリー展開のテンポを整え、冗長な描写を削ぎ、メリハリをつけてください。

 - 主要登場人物(ひかり、哲、未来)の役割と存在感を明確にしてください。

 - ひかりと主人公との関係性の変化を、より自然で説得力のあるものにしてください。

 - 全体を通して、テーマや登場人物の心情が読者により強く伝わるよう、描写を工夫してください。


 ### 本文

「ねぇ、蛍くん。私と一緒に寝てくれない?」

 夜の理科室でひかり先輩がくくくと笑った。

 少しの迷いもない、透き通った声。

「それ先週も聞きましたけど」

 俺は窓辺で外をぼんやりと眺めながら、いつものようにさくっと断った。

 すると先輩は長い髪を耳にかけ八重歯を見せてニマニマと笑った。

「どうせまた、眠れないでしょう?」

「けち。いいじゃん減るもんじゃなし」

 それが2コ上の先輩が言うことか——。

「俺の尊厳が減るんですって」

 俺はとびきり面倒くさそうな声で応えると、また窓の外の星空に視線を戻した。

 けれど先輩は動じない。

「今度は上手くいくと思う。ねぇ、お願いっ!」

 そう言って深々とお辞儀をする。

 長い髪がしゅるりと垂れ、毛先が床につくかつかないかくらいのところで顔を上げ

「一生のお願い」

 とピンク色の舌をちょこんと出した。

 ずるい。絶対ずるい。もう何生目だよ――。俺は心のなかで悪態をついた。

「もう。そう言って前回も寝なかったじゃないすか」

 大人たちが俺らにつけた烙印は〈移住不適合〉だった。

 不眠症の一種とされている。

 とにかく、上手く眠れない子供はあの星には移住できない。そう教わった。

 俺は入部して早々、3年のひかり先輩が同じ病を抱えていると知り、夜な夜な理科室に来ては、いろんなことを試していた。

 波の音。f分の1雑音。アロマ。でも結局、どれも上手くいかない。

 先週は「心臓の音を試してみよう」と先輩が言い出し、屋上に寝袋を広げて試してみたのだった。

 普通の生徒が入れない屋上も、天文部の俺たちには使い放題。観察会と称した宿泊だって可能だ。

「あれはいいセン行ってたと思うけどナ……」

 先輩が言うと、俺は内心で呆れた。よく言うものだ。

 先輩は自分から言い出したくせに、いざ実行する段になるとめちゃくちゃ恥ずかしがった。

 今もその時を思い出したのか、頬を桃色に染めている。

 俺はその時「なら逆に」と先輩の胸に耳をつけて俺が眠るってのを提案した。むろん速攻で拒否された。

 結局その時も先輩は眠れず、俺の胸で明け方までじっとしていた。もちろん俺も眠れるわけがない。

「卒業式までに、ちゃんと眠れるようにならないとなぁ」

 いつも自信たっぷりの先輩が、この話題のときは決まって情けない顔をした。

 先輩は移住不適合のことをクラスメイトには隠しているみたいだった。俺もそうだ。なんとなく理由はわかる。

 先輩は学校ではクールビューティーを貫いていて、ちょっとミステリアスなところもあることから「異星人」なんて呼ばれてもいた。

 そんな先輩の、このなんとも可愛い表情を知っているのは世界で自分ひとりだけだと、俺は少し自慢に思っていた。

 きっと卒業式を超えられない関係だけど、俺はこのままでもいいかなと思っていた。

「やっぱ、屋上いこ?」

 先輩がどうしてもと言って聞かないので、俺は今日もまた嬉しい素振りがバレないように気をつけながら、渋々と承知したような顔を取り繕ってうなずいた。

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